五話 狩人、迷宮で相見える 其の壱
ツカサがゴトーと別れて、五日が経った頃。Etubeサイトトップページをとある動画が独占していた。
『狩人、
タイトルは
ツカサは【副都心
本来であれば動画配信の醍醐味として視聴者へのコメントへの返答や、スーパーコメント略して【スパコメ】に対してコメントに感謝するなどを行う筈なのだがツカサは一切それらを行わなかった。
淡々と狩猟し、終えると同時に【安置】に戻って体を休ませる。ただただ狩りに没頭する姿を垂れ流すだけの動画にも関わらず、逆にそれが今までに無い配信スタイルだと話題になり、視聴者に媚びないと言う理由で盛り上がりを見せた。
【副都心
大量に湧く
そして、手製の罠を
あまりの手際の良さに最初は批判のコメントも多かったのだが、それすらも徐々に鳴りを顰め始め、三日も経った頃には賞賛が逆転した。
『これは【魔境】も涙目』
『ゴブリンさんに同情しますよホント』
泣く泣くさんD10000
『ツカサ様! こっち見て!』
少年A D100
『初スパコメです! 配信始まってからのファンです。応援しております!』
『それにしてもまた、人増えたな。そんだけ人気になってるってことでいいんかね?』
『アンチ増えるどころか減ったよな。スパコメする人も多いし』
どぜうD10000
『ツカサいつもありがとう! 最近ツカサへ感謝するのが日課になりつつあります!単刀直入に我慢してたこと書いちゃう! ツカサ愛してるぞおおおお!』
『怪文書やめろ』
『やっぱり、変なファンもつくよなぁ、こんだけ伸びりゃ』
Dはデニーと呼ばれるWDGが選定したEtube専用の仮想通貨。これは統一通貨として、何処の国でも使用可能な物であり、スパコメはそれらを応援コメントと共に投げる事で探検者の支援を行える。
ただ、ツカサはそれを知らない。ゴトーに教えられたスマホは【安置】で必ず充電する様に叩き込まれ、
(感覚が徐々に戻って来たな。ナイフを振れば自分の一部を動かす様な感じ。老いてからはナイフを振るうよりも罠を用いて狩りを行っていたが、やっぱり
そんなことを考えながら
「レベルが上がりました。ステータスを確認してください」
脳内の声に対して、ツカサは自身に視線も向けずに背後を取られたと感じ取り、
「ふむ? ステータス? 何だそれは?」
その声に反応して、ツカサの視界に四角いホログラムが表示されると彼は手に握ったナイフでそれを切り裂いた。
だが、攻撃されたホログラムは少しばかり歪むだけで傷がつかず、ツカサはもう一度切りつける為にナイフを構えると目の前に自身の名前が書いてあることに気付く。
「ふむ?
――――――――――――――――
【名前】ホシナミ・ツカサ
【レベル】51 次のレベルまでの経験値「20000」
『HP』3050
『MP』0
『腕力』610
『耐久』410
『敏捷』1100
『器用』90
『知力』100
『精神』550
【PP】51
【TSP】1800
【
【
――――――――――――――――
ステータスの文字を全て読み、眺めてはいるもののツカサの頭にはハテナマークばかりが浮いていた。何が何だかサッパリ分からないが、何となく今の自分の何かを示していることだけを把握し、それ以外の理解は今は不要であると判断した。
「まぁ! いつかゴトーに会えた時に聞くか! 今日は流石に疲れし、ここまでにしておこう」
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