ワイン大好き作家、sabamisony さんの代表作です。
全編にワイン愛がちりばめられています。
ストーリーは、現世の古い白ワイン(この銘柄がカギを握ります)を通じて、異世界に召喚されてしまったタカヒコが、屋台のワインバーで、ソムリエを始めるところから始まります。
この世界のワインは「魔酒」と呼ばれ、調律師と言われるソムリエが、的確にワインの説明をするたび、「バフ」と言われる魔力が込められ、飲んだ冒険者の能力がアップする、という効果があるのです。
その中でもタカヒコの能力は突出していました。ワインを紹介する流麗なせりふ回しで、誰にも見向きもされなかったワインからも魔力が引き出され、「あいつすげーぜ!」「ステキー!」などと評判になっていきます。だけど、それが面白くない勢力もあるわけで。。
とまあ、ネタバレが怖いのでこのくらいにしておきますが、とにかくタカヒコのセリフがかっこいい。わたくしなんて、到底考えもつかない、粋なセリフに文章で酔いしれること間違いなし。それに惹かれて、ギルドの美少女だの、怖い副団長だの、第三王女など、ヒロイン候補も目白押し!
イチャラブは全然ありませんが、とっちらかったヒロインたちを、きっと続編で回収してくれるのでしょうw
たった2万5000字なのに27話。各話の切れが良く、気が付くと、次話のボタンをポチっている中毒性w 仕事もほっぽら化して夢中で読んでしまう素晴らしい作品でした。
みなさんも是非一気読みしてみて下さい!
繊細な文章力が、お話の軸となるワインの調律と、とても合っていて、文章自体が素敵な音色のようでした。
美味しいワインは、ずっと味わっていたくて…ついつい飲むのをが止まらないように、このお話も、最終話まで一気に読んでしまいます。
お話は、主人公タカヒコが女神ヴィーニアに呼ばれ、異世界への屋台で働きながら、忘れられたワインや、魔酒として力を発揮できない ワインを調律していくストーリー。
女神ヴィーニアがただの女神でなく、飲んだくれでツケ女神と呼ばれている所が、良い!
タカヒコの弟子になったアルネもピュア。
これから…あなたが何か進むべき道にであった時、女神ヴィーニアを思い出せば楽しくなるし、タカヒコの旋律を思い出せば、自分だけの地図を見つけ出せるはず。
ぜひ、お手に取っていただきたい作品です。
お酒の味がとても好きです。
私にとってのお酒とは、様々な料理に、まるでソースの一部であるように合わせたり、食事の味に変化を齎すもの、といったイメージです。
それもこれもアルコールには強くなく、量を飲めない体質がそうさせていて、これがお酒だけを楽しむ方向に進めない理由なのですが。
とはいえ、そうした楽しみ方であっても(文句をつけてくる人は偶に居ますが)何もかもを許容してくれるのがお酒。
味だけ、匂いだけ、といったものであっても、人それぞれに楽しめば良い。
きっとワインは応えてくれる!
このお話を読んで、後押しをして貰ったように、更にその思いが強まりました。
私ですらそうなのだから。
きっとこのお話を読んだ色々な人が、ワイン好きになる日も近い!
ワインに詳しい人、詳しくない人、いろんな人にオススメできる作品です!