“アラート”は、SOS──

〈アカデミー〉中央情報処理部──通称〈SIS〉の分室。
アラートが鳴ったその時から、若い技術者たちの日常はその色彩を変え、見えていなかった“人間模様”が立ち上がる。

静かに掘り下げられる人物描写のリアリズムに、本作の魅力を感じます。
銃火も魔法も登場せず、映るのは警告を吐くPCモニターとログに刻まれたわずかな痕跡だけ。
でも、その痕跡を残すのもまた人間。
彼らの行動の動機をたどり、波紋が広がるさまを見届ける過程こそが、この物語の核心かもしれません。

読み終えて残るのは、“あのときアラートが出せて、気づいてもらえて良かったね”という安堵感。

静かで、それでいて熱を帯びた“再生のログ”。
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