ここがどんなに暗くても、少女は「だいすき」と言いつづける。なんどでも。悲劇的な童話風SF。文体が独特です。情景を描写しているにもかかわらず、なぜか抽象表現ばかりが凛と伝わってくる。余白の大きい世界観が、人間愛の物語をうまく引き立てています。これはカクヨム読者には刺さりそう。真似しようとしても真似できない良作です。
この物語には、愛があります。でもそれは、ただやさしいだけの愛ではありません。読後、何かを言葉にしたいのに、何も言えなくなる。そんな物語に出会いたい人におすすめします。