嫉妬

ゴリごりぱン

テーマ嫉妬

敬愛なるルージュへ。私は貴女を心から誇りに思っていました。

貴女の掲げる理想はまさに、老若男女に手を差し伸べるとても素晴らしいものでした。


貴女は周りの方からとても愛されていましたね。

私は、私の理想のためなら敵対もやむなしのスタンスでしたので、周りの人達にどれだけ私の味方がいたのか、私ですら分かりません。


貴女はどんどん周りに人が増えていくのに、私は周りからどんどん人がいなくなっていってしまいました。

私の婚約者、ルイスでさえも、私の傍ではなく、貴女の傍を選びました。

お父様もお母様も、お兄様もお姉様も、私の全てを貴女は奪っていきました。


でも貴女は、そんな周りの人達全員から見捨てられた私にさえも手を伸ばしてくれましたね。

資金も、人望も無くし、家族から勘当された私にさえ。


でも私は貴女の手をとることはできませんでした。


貴女は自分の理想に賛同するよう私の婚約者と夜な夜なホテルで密会をしていましたね。

ホテルでどんな理想を語り合うのでしょう。

子供の将来の理想でしょうか。それとも私の顛末ですか?


あの日、私が公爵様との商談の時、ルイスは用事があると言って、一緒には来てくれませんでした。その日も、ルイスとお楽しみだったようですね。

その日の語らいはとても盛り上がったことでしょうね。

ルイスの声はさぞよく響いたのでしょう。


ここまで来ると気分が良いというものです。


私、貴女の思惑に乗ることにしましたの。


ですからどうぞ、私の婚約者と今後とも理想を語り合ってください。


もちろん、ベッドの上で、ね


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

嫉妬 ゴリごりぱン @gorigoripan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ