【第2部】【kindleにて書籍化決定】リーガルガールーまどか💛のやり方ー本当の正義とは?
鏡 恭二
第1話 僕の仕事は何?ー球団買収の野望と資金トリックー
ある東大生がいた。
その東大生は現在、半蔵門の閑静な住宅街にある一軒家で暮らしている。
朝はノートパソコン片手にカフェでサンドイッチとコーヒーを楽しみながら仕事。
その後、皇居周辺を散歩し、近所の高級肉料理店で昼食を取る。そして帰宅して眠る。
これが彼の日常だ。
現在の肩書は社長。貯金はすでに億単位。
もともとはホームページ作成を主とする小さな会社を興し、そこからネットプロバイダー、ブログサービスなどの事業が次々とヒット。多くの社員を抱える企業へと成長し、巨額の資金が彼の元へ流れ込むようになった。
その男の名は——篠原隆史。
彼は小学生の頃からパソコンを触り、自作のホームページを自由研究として発表するような天才肌。ITの申し子とも言える存在だった。
今や時代が生んだ若き成功者としてもてはやされる彼だが、内心ではある悩みを抱えていた。
篠原「……俺、何やってんだろうなぁ」
よく聞かれる。「お仕事は何をされてるんですか?」と。
だが、事業が多角的すぎて一言では言い表せない。
それ以上に——情熱を注げる"核"が、自分の中にないことに気づいていた。
篠原「なんか……燃焼できる何かがほしい……」
彼にはもう一つの得意分野があった。株式投資だ。
キャピタルゲインもインカムゲインも自在に操り、成長企業を見抜く天才的嗅覚で次々と利益を生み出していた。
そんなある日、テレビから流れたあるニュースが、彼の心に火をつけた——
火浦アナウンサー「プロ野球チーム・昭和ヨーグルトバスターズの親会社・昭和ヨーグルトが事実上の倒産。球団への年俸支払いが不可能となり、オーナーの緒方氏が謝罪する事態に。
これを受け、日本プロ野球連盟は球団の解散を認め、新たなチーム創設とスポンサーの公募を開始する見通しです。」
篠原「……新チーム?スポンサー?これだっ‼️」
プロ野球球団の買収——それこそが、自分の生きる意味になるかもしれない。
篠原「面白くなってきたな……まずは資金作りからだ」
しかし、球団買収には莫大な資金が必要だった。
借金はリスクが大きすぎる。
そこで彼は、ある“仕組み”を思いつく。
篠原「金を回して、金を作ればいい……」
そう、会社の資金を不正に循環させ、見かけ上の利益を生み出すことで“信用”を得て資金調達を行おうというのだ。
——これが、すべての始まりだった。
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