最終話

 なにか特別なことがあったから、それを知ったからといって、なにかを変えなくちゃいけないわけじゃない。

 それがたとえ、その渦中に自分自身がいたとしても、だ。


 わたしは小説家にさえなれればいいから、そのほかの物は、究極的にはすべてどうでもいい。


 だからわたしはわたしに支障がないように、なんにも知らないふりをするし、また表面上のわたしを演じる。


 それでも世界は、つつがなく進行を続けるだろう。


 なぜか。


 きっとみんな、少なからず。


 わたしと同じ考えを、別のなにかに当てはめて、心のどこかに住まわしてるからなのだと、わたしはそう考える。

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小説家にさえなれればいいわたしと、わたしさえいればいい彼女。 さーかい @sakaiyuuki

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