詩「夢の頁」

金子よしふみ

第1話

住宅街を進んでいた。

スーツを着て、

営業先を探しているような感じだった。

 迷っていた。

どこに着けばいいのを。

スマホを使ってみたけれど、

どうにもあてにならない。

細い道があって、

直観に従うと

石段を下りて行った。

下りきると道なりにカーブを描いていた。

そこをたどると

田舎の車庫のような一軒があり、

その前には不釣り合いなほどのスポーツカーが止まっていた。

その一軒を通り越すと、

小雨になった。

傘も折り畳み傘もない。

小雨と言ってミストのような感じだから、

それらがなくてもいい気がした。

歩き続けると

収監所のような塀に覆われた建物の前に立っていた。

その前にはバス停があり、

時刻表を見ると

もうすぐ来るらしい。

ここで見つけられなかったから仕方ない、

と思っていたら、

バスが近づいて来るのが見えた。

バスにはまばらにしか乗客がおらず、

ミストのような雨で濡れた私が一人掛けの椅子に座った。

私はどこに行きたかったのだろう。

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詩「夢の頁」 金子よしふみ @fmy-knk_03_21

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