短い中で何度も翻弄される。その感じがとても楽しかったです。
主人公は、「ゾンビだらけの世界」で生きている。その世界では小学生でも護身用としてハンドガンを持ち、迫りくるゾンビを殺さなければならない。
そんな世界で天才ゾンビハンターとして生きているのが小学生のキリコちゃん。
読み進める中で、「おや?」と思わされる感じが、またとても楽しいです。
ゾンビが蔓延している世界。その中で小学生が学校まで通う。その話を聞いて不思議に思うも、読み進める中で「なるほど」と頷かされる。
この世界における「現実」、そして「常識」とはどういうものなのか。
キリコちゃんが見ていた「ゾンビだらけの世界」は平和とは縁遠いところだった。では、「そことは別の外側の世界」は果たしてどういうものなのか。
キリコちゃんが住んでいる世界とは果たしてどんな場所なのか。ゾンビが住むような危険な場所か。それとも平凡で平和な場所なのか。
「作中における現実の世界とは?」の認識が二転三転とする、捻りのきいた展開が秀逸です。