惟神
からすまる
序章 王の誕生
第1話 残酷な世界
『キーンコーンカーンコーン』
ああ、今日もこの時間が来てしまったのだ。
「お~い『馬』今日もよろしくな!」
明るく大きな声が教室に響く。
「・・・分かりました」
そう言って僕は教室から出て購買へ向かう。
そう、僕は陽キャ達にパシリにされているのだ。
なぜ僕が『馬』などと呼ばれているのか。
僕、佐久間 桜真の下の名前「オウマ」のウマの部分だけを取って呼ばれているからだ。僕をパシリにする陽キャ達の名前も紹介しよう。
一人目は
二人目は
三人目は
四人目は
五人目は
以上五人が僕をパシリにする者たちだ。
内心は不服だが、反抗したらどうなるかわからないため従順に従うことにしている。
いつの間にか購買についていたようだ。僕はいつものパン(5人分)を買ってクラスに戻る。
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教室に戻り買ってきたパンを渡した。
「えぇ、焼きそばパンか、、俺今日はメロンパンの気分だっt」
その瞬間。
「おい!教室の扉が開かないぞ!」
ん?なんか床が光って…
・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気づくとそこには謁見の間のような光景が広がり王様のような人、お姫様のような人、そしてたくさんの魔法使いのような格好をした人たち。
「なんだ‥ここ」
最初に口を開いたのは上田だった。
「ようこそ異世界からお越しになった皆様。」
そう言ったのはいかにもって感じのお姫様だった。
…というか今異世界って言わなかったか?
「今、異世界っていったよな?」
そう反応したのはクラスの陰キャ三人衆の一人、通称「端役」こと
「俺達異世界転移したってこと?」
「その通りでございます。」
そう聞いてクラスはざわついた。当然だ。いきなりつられてこられたのだから。
「異世界からきた皆様、いきなり異世界に来てさぞ混乱していると思いますので。神聖法皇国第一王女アナスタシアから説明いたします。まず我々は神より神託を賜り皆様方を召喚しました。」
「すみません。その神託の内容ってのは何なんですか?」
そう聞いたのは
「その神託の内容を説明するにはまずこの世界について説明しなくてなりません。この世界には様々な種族がおります。『人族』『魔族』『エルフ族』『亜人族』そして『悪魔族』。これらの種族が存在します。ここで少し話がそれますが、この世界にはステータスというものがあります。そしてそのステータスの欄には職業というものがあります。これは基本的に最初から変わることがありません。ですが変わることが稀にあります。それが『王』とつく職業です。通常、職業というのはスキルが使用可能なのですが、『王』がつく職業はスキルとは比にならない力、権能というものを扱うことができるのです。」
「そこから神託の内容にどうつながるのですか?」
「そんなに焦らないで、お聞きになってください。コホン、続きを話しますと、常にいるわけではないのですが種族ごとに『王』とつく職業が存在します。我らが授かった神託は『悪魔族の王が生まれる』というものなのです。」
「それの何がまずいのですか?」
そう聞いたイケメンは俺の二人の幼馴染の一人、
「悪魔族は神々の怒りを買い、神話の時代から深淵というところに封印されているのです。なら、なぜ皆様を呼んだのかといいますと神が神託として伝えてくると言うことは、悪魔族が深淵から解き放たれるからだと我々は解釈しました。そこで皆様の力を借りたく思い召喚した次第でございます。異世界からきた皆様には神々からギフトとして上位の職業になりステータスが高くなるのです。ステータスを見るには「ステータスオープン」と言ってもらうといつでも見ることができます。」
そう聞いたクラスメイトたちは次々と「ステータスオープン」と唱えていった。
「すげぇ!アキトの職業に『勇者』って書いてある。」
その言葉を聞くなり過剰な反応をする王様のような人やお姫様。
いや、今はそんなことを気にしている場合ではない。僕も自分のステータスを確認しよう。
「ステータスオープン!」
この時、俺が淡い期待を抱いていたのは否定しない。だが異世界に来たら良くなるなんてことはない。結局弱者は弱者、自らのステータスを見て当時の俺は絶望を隠しきれなかった。
【ステータス】
名前 佐久間 桜真
Lv1
職業 支援者
生命力 15
攻撃力 9
防御力 10
俊敏力 7
知力 16
魔力 10
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