君が目覚めるまで
にゃもう
第1話
俺には幼馴染がいる。
幼稚園の頃から家が隣同士で常に2人でいた。
それは大きくなっても一緒だと思っていたのに…
俺:「え?今なんて…」
母:「美咲ちゃんが事故に遭ったのよ!
意識不明の重体らしくて…」
俺、佐藤優馬の幼馴染の小野寺美咲はあと1ヶ月で大学生になろうとしている時に事故にあった。
俺と美咲は小中高ずっと一緒で大きくなっても2人で居た。大学も同じ所に進学することになって、これからも2人で頑張ろうなという約束を交わしてからの数日後の出来事だった。
急いで病院に向かうと緊急治療室の前で泣いている美咲の母と顔に生気がない美咲の父親がいた。
美咲の母:「優馬くん…、どうしよ美咲が…」
泣いているおばさんを前にして何もできない自分に腹が立ってしょうがなかった。
数時間後、手術中の赤いランプが消えて、担当医が手術室から出てきた。
医師:「一命は取り留めました。しかし、意識は回復するか分かりません。」
医師から言われた言葉はあまりにも残酷で、どうしようもない虚無感と美咲の両親の泣き声が病院に響いていた。
それから数年後大学を卒業した俺は美咲の病室に足を運んだ。
俺:「美咲、よっ!
大学を卒業して、〇〇会社に勤めることになったよ。大変かも知らないけど頑張るわ!」
美咲:「…」
事故から4年経った今でも美咲の意識は戻らなかった。
美咲の母:「いつもごめんね。優馬くん。
でも、遠慮しなくてもいいのよ。優馬くんももういい大人だし、美咲ばかりじゃ優馬くんに悪いから」
俺:「いえ、俺は美咲がまた戻ってくるって信じてますから。だから、そばにいます。」
俺はこの4年間ずっと美咲の元に通っている。
大学やサークルであったことなど、色んなことを話すが美咲からは何も返ってこないままだった。
それから数年後、28歳になった俺は今でも美咲の元に通っていた。
俺:「美咲〜、今日会社でこんなことがあってさ〜」
いつも通り美咲に話しかけていると…
美咲:「ゆ、う、ま、」
…一瞬聞き間違いかと思ったが、美咲が確かに喋った。
急いで看護師さんや美咲のご両親に連絡をすると、美咲は奇跡的に意識を取り戻した。
それから数ヶ月後、美咲はリハビリをして、元の生活に戻れるくらいに回復した。
美咲:「本当にありがとね。
意識が戻らなかった時に何故か優馬の声が心に届いてた気がする。」
「でももったいないよ!そのなかっこよくなって、ずっと誰とも付き合ってないなんて!」
俺:「お前以外は考えられないんだよ!
大好きだからな、昔からずっと…
だから、これからもそばにいるよ」
美咲:「うん!よろしく優馬!」
こうして回復した美咲と一緒に新しい人生を歩み始めた。
君が目覚めるまで にゃもう @naoayu
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