儚くも美しい物語

冒頭から胸を締めつけられるような設定に引き込まれました。



使命のために心を閉ざしてきた神官ルークと、死を前にしながらも微笑みを忘れない聖女エマ――二人の対比があまりにも鮮烈で、読み進めるほどに切なさが募っていきます。

限られた七日間の中で生まれる恋は、儚いのにどこまでも真っ直ぐで、美しい。


エマの残された時間を丁寧に描写することで、その一瞬一瞬が宝石のように輝き、読者の心に深く刻まれます。


また、閉ざされた神殿という舞台が二人の感情を際立たせ、運命に抗えない哀しみをより強く感じさせました。

切なさと温かさが同居するこの物語は、読み終えた後もしばらく余韻から抜け出せないほど心を揺さぶられます。

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