【SNSでのタグ詐欺の不安を童話『オオカミが来たぞ』風に書く】

 あるところに一人の小説書きがおりました。

 小説書きは気ままにSNSに小説を投稿していましたが、いっこうに読まれません。


「退屈だなあ。よし、ここはひとつタグをつけてみよう」


 小説書きはハッシュタグをつけて投稿しました。


「#創作BL だ! #創作BL だよ!」


 タイムラインの人々は振り向きました。


「えっ創作BL!?」


 ありがたいことに観覧数が伸びました。

 小説書きは大喜び。

 数日後、小説書きはまた小説を上げました。


「これも#創作BL だよ!」


 優しいタイムラインの人々はまた見てくれました。

 小説書きは有頂天。

 サイトのURLとあらすじを添えて投稿しました。


「#創作BL 書いたよ! リンクはここだよ!」


 けれどタイムラインの人々はもうだまされません。


「どうせまた、登場人物が男子なだけのショートギャグだよ」

「あいつは男子が会話してればBLだと思っている」


 かわいそうに、SNSからのアクセス数は0でした。

 ウソつきの小説書きはみんなにミュートされていたのです。


「本当に#創作BL なのに! #R18 なのに!」


小説書きの嘆きツイートはやっぱり誰にも読まれませんでした。

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