🧠『きみを映すフレームたち』

メガネ雑学解説ページ ~心をかたどる12のフレーム~

1. スクエア(Square)型

🟥 特徴: 四角形でシャープ、直線的なライン

🧠 印象: 真面目・理知的・スマート・几帳面

🗣️ 補足: 縦幅が狭めのため、スッキリとした知的印象に。顔立ちが柔らかい人にかけさせると、個性のバランスが引き立つ。

🧩 物語登場: 「まっすぐなスクエア」

🎭 象徴: 正しさと不器用さを抱える生徒会副会長


2. ラウンド(Round)型

🔵 特徴: まん丸。メガネの原点とも言える形

🧠 印象: クラシック・柔らかい・知的・中性的

🗣️ 補足: 丸い形は目元をやさしく見せる効果があり、文学的なイメージとも好相性。ややクセのある印象を出すことも。

🧩 物語登場: 「丸眼鏡の手紙」

🎭 象徴: 未来に手紙を書き続ける文芸少女のまなざし


3. ウェリントン(Wellington)型

🟫 特徴: 逆台形。上が広く下がやや狭い

🧠 印象: 落ち着き・知性・安定感

🗣️ 補足: 日本人に特に似合いやすく、最も万能な形のひとつ。古風さと新しさを兼ね備える、バランス重視の人向け。

🧩 物語登場: 「静かな逆台形」

🎭 象徴: 過去を写真に閉じ込めようとする転校生


4. ボストン(Boston)型

🟤 特徴: 丸みのある逆三角形。ラウンドより縦が長め

🧠 印象: 知的・穏やか・親しみやすい

🗣️ 補足: 日本人の顔型との相性が抜群。個性を出しつつ、安心感と清潔感を演出する知的なフォルム。

🧩 物語登場: 「ボストンの夕暮れ」

🎭 象徴: 本と沈黙の中にやさしさを宿す少女


5. オーバル(Oval)型

🟢 特徴: 楕円形。バランスの取れた曲線

🧠 印象: 優しい・自然・親しみやすい

🗣️ 補足: 主張せず、どんな服装や顔立ちにも馴染みやすい。やわらかさや「無害さ」を演出したい人に向く。

🧩 物語登場: 「オーバルと午後の紅茶」

🎭 象徴: そっと隣に寄り添う喫茶店の少女


6. フォックス(Fox)型

🦊 特徴: 目尻が上がった“キツネ目”風の形

🧠 印象: セクシー・シャープ・個性的

🗣️ 補足: 強めの印象を与えるが、顔立ちが中性的な人がかけるとギャップが映える。女性的・攻撃的・芸術家肌なイメージ。

🧩 物語登場: 「フォックスの誘惑」

🎭 象徴: 鋭く描いて、でも見られることに怯える美術部の女子


7. キャットアイ(Cat Eye)型

😺 特徴: フォックスに似るが、より女性的でクラシカル

🧠 印象: 上品・気高い・レトロ・演出的

🗣️ 補足: 1950年代〜60年代の欧米女優たちに人気。演じること、魅せること、隠すことがひとつになった形。

🧩 物語登場: 「キャットアイと放課後の秘密」

🎭 象徴: 強さを演出することで本音を隠す脚本家の先輩


8. ティアドロップ(Teardrop)型

🕶️ 特徴: 涙のように下へ広がるレンズ。サングラスに多い

🧠 印象: ワイルド・アメリカン・クール

🗣️ 補足: 実は“視界を広く取るため”の実用形。パイロットサングラス由来。男らしい反面、繊細さも隠し持つ。

🧩 物語登場: 「ティアドロップ・ライダー」

🎭 象徴: 怖がられることを選んだ、やさしさを隠すバイク少年


9. クラウンパント(Crown Panto)型

👑 特徴: 上が平らで、下が丸い伝統的な形

🧠 印象: レトロ・知的・記憶の奥行き

🗣️ 補足: ヨーロッパ系のクラシックなモデル。過去と現在をつなぐ印象を与える。写真や記録を好む人に多い。

🧩 物語登場: 「クラウンパントと古いカメラ」

🎭 象徴: 記憶と向き合うために過去を写し続ける写真部の少年


10. ハーフリム(Half-Rim)型

🔳 特徴: 上半分だけにフレームがあるタイプ

🧠 印象: 繊細・知的・バランス重視

🗣️ 補足: 緊張感のなかに余白がある印象。論理的な性格や“他者の視線に敏感な人”が選ぶことが多い。

🧩 物語登場: 「ハーフリムの約束」

🎭 象徴: 完璧に見えて迷いを抱える生徒会副会長


11. ツーポイント(Two-Point)型

⚪ 特徴: フレームレスに近く、レンズのみが主役

🧠 印象: 洗練・透明感・静けさ

🗣️ 補足: 最も存在感の薄いタイプ。逆に“かけていないように見える”ことで、“透明な存在”を演出できる。

🧩 物語登場: 「透明なツーポイント」

🎭 象徴: 存在感のない少年が、見つけられる日を願った物語


12. ブロウ(Browline)型

🟧 特徴: 上部のフレームが太く、眉のようなシルエット

🧠 印象: 意志・懐かしさ・男性的・まなざしの強さ

🗣️ 補足: 1950年代のアメリカで流行。知的で重厚感があるが、どこか懐かしさも帯びる。語り手の“象徴的フレーム”。

🧩 物語登場: 「ブロウと夕日の教室」

🎭 象徴: 語り手・透が“自分を見始めた”視界のはじまり


👓 すべてのフレームに、誰かの“心のかたち”が宿っている

この短編集は、ただメガネをテーマにした物語ではなく、

「人がどんな視界で世界を見ているのか」という問いの連なりでした。


あなたがもし、新しいメガネをかけるなら――

どんな形を選びますか?

そして、どんな視界を選びたいですか?


メガネはきっと、見え方だけでなく、「見られ方」と、「自分をどう見たいか」を選ぶ行為でもあるのです。


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