凡人・秀才・天才

加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】

自由を求めて

 凡人は共感性?

 秀才は再現性?

 天才は独創性?


 本当にそうか?


 換言せよ。


 凡人は絆の力で結束する。

 凡人は穂の人である。実りである。実りなければ何ものも生きられない。一時的存在は全ての根源であり、未来への可能性である。


 秀才は結束の核となり導く。

 秀才は収穫の人である。実りを使用可能な実際的エネルギーに引き上げる。脱穀する。また、種を蒔き、新たな実りを求めもする。それを円環で繰り返す。


 稲穂と農夫は共生している。


 しかし。


 天才は独善的悪として討伐対象となる。

 天才は天災である。農夫に、実りの献上を強いる。盗賊であり、罪人である。


 天才は、不要である。

 天才は、過剰拡大した共同体に突如現れる悪魔である。

 過剰拡大した共同体は、混沌なる秩序──首の皮一枚の均衡──の様相を呈する。

 天才は統治者を演じる。

 天才の本質は、独占あるいは寡占であり、搾取である。

 天才の不在においては、自由が存在する。

 自由に、天才は不要である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

凡人・秀才・天才 加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】 @sousakukagakura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ