負の感情こそ、創作の燃料になる

雨宮 徹

負の感情こそ、創作の燃料になる

 たとえば、仕事で理不尽に怒鳴られた。そんなとき、ただ我慢するだけではなく、その怒りや悔しさを、小説の中で昇華するという方法があります。


 現実では言い返せなかった上司を、物語の中で論破してやる。やり返すでも、言い負かすでも、なんでもいいです。「小説の中だけは、自分の思い通りにできる」。その感情が、思いのほか共感を呼ぶことがあります。「私もそうだった」と、誰かが言ってくれるかもしれない。これは、いわゆる「成り上がりもの」と同じ構造です。不遇からの逆転は、読者の心に刺さりやすいのです。



 私自身の例を挙げるなら過去に、「カクヨム攻略の創作論なんていらない」と批判を受けたことがあります。それならばと、あえて書き続けることにしました。しかも、その批判してきた人がミステリーを書いていたのです。近頃それに気づき、こう思いました。「ミステリーで、あなたにだけは負けたくない」と。


 そこからの執筆は、怒りでも、悔しさでもなく、ただ静かに、強く、自分自身に向き合う作業になりました。



 ただ、ひとつだけ注意点があります。すべての負の感情を受け止め続けてしまうと、心が壊れます。書いて、吐き出して、昇華する。その過程を忘れずにいましょう。創作は、武器にも、癒しにもなります。あなた自身を守るためにも、創作の力を使ってください。

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負の感情こそ、創作の燃料になる 雨宮 徹 @AmemiyaTooru1993

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