【質問企画】あなたの作品の2人組について知りたい

鳥海勇嗣

『電気羊は子狐たちと30万年の明日を生きるか』の二人組へのインタビュー

──本編紹介文より──


フィスタ・クローソー

シェンシャーのプライベーター。“アクトレス”の異名を持つ。

年齢不明、人種不詳の女性。特殊虹彩の染料で染められているボブカットの髪は光の加減で色が変わる。

エメラルドグリーンのボディスーツの上に丈の短いジャケットを着用している。

常人離れしたボディコントロールと感覚のコントロールが可能で、多くの格闘術やサバイバル術を身に着けている。

戦闘に関しては冷酷だが感情の切り替えが早く、普段は人間味のあるちゃらけた性格と外見をしている。三年前にケイオスの街シェンシャーに記憶喪失の状態で現れた。生き別れた娘を探している。


チャカ・ジャンゴ

フィスタの相棒のプライベーター。“ドラゴンフライ”の異名を持つ。

40代。アフリカ系。

上下黒のスーツを着用。

目まで覆っている白いヘルメット状のディバイスを義眼に接続して、一度に広範囲を見渡すことが可能。その特質を活かした射撃術を得意とする。数少ない銃の所持と使用を許可されたプライベーター。

「午前中は働かない主義」、「ポテトは野菜と見なさない主義」など、多くの「主義」を持つ。


──



──はじめまして、本日はよろしくお願いいたします。


フィスタ「よろしく~。あたしはフィスタ、インタビュアーのおにいさんは? これ本業?」

チャカ「それを今からインタビューでやるんだよ」

フィスタ「なっは~、そっかぁ」


1.名前と相手の呼び方は?


フィスタ「せ~のっ、悪党にあだなす格闘ヴィーナス、四十八手でメンズを寝かしつける人類の“エロス”担当、フィスタ・クローソーで~す。あなたの心臓をかったい拳で打ち抜いちゃうぞっ、遺影いえい!」


──……。


チャカ「……俺はチャカ・ジャンゴ。セントラル・ディストリクトでプライベーターをやってる者だ」


──プライベーター?


チャカ「プライベーターってのは犯罪者専門の強盗だ、もちろん行政から許可をもらってやってる。そうやって犯罪者を捕えたり、場合によっては始末するわけだ」


──……失礼ですが、そういうのは警察の仕事では?


チャカ「……けいさつ?」


──何でもないです。


2.お互いの出会ったきっかけ、ついでに第一印象は?


チャカ「三年前、アーケードの路地裏だったな。そこで暴漢に女が襲われてるって報告が入ったんだ。そしたら、そこでこいつが男の関節を外してる最中だった」


──関節を外す?


フィスタ「あんたなんて銃向けてきたじゃない」


──銃を向ける?


チャカ「お前さんならどうだ? 初めて会った時、片方は人の関節外してて、片方は銃を向けてた。どんな第一印象になると?」


──想像できません。


フィスタ「そういうこと」


3.付き合いの長さはどれくらい?(完結済みの作品なら、完結時でも後日談でも。連載中なら任意のタイミングで)


チャカ「三年前だな」


フィスタ「三年前だね」


4.意見が割れたらどちらが折れる?


フィスタ「あたしらって、何だかんだ意見が割れるってことないよね」


チャカ「まぁ、そうだな」


フィスタ「きっと相性が良いんだと思うよ。ほら、『ルパン三世』でいうと、あたしがルパンであんたが次元」


チャカ「まぁ、使う得物からしてもそうかもな」


フィスタ「オアシスでいうと、あたしがリアム」


チャカ「俺がノエルか、適切な分析だ」


フィスタ「ZARDでいうと、あたしが坂井泉水」


チャカ「それは一人なんだよ」


──何となく分かりました。


5.相手が機嫌悪いとき、どう接するのがいい?


チャカ「難しいな、こいつが機嫌悪いって時がほとんどないんだ。何てったって、年がら年中雪だるまを作ってるような奴なんだからな」


──雪だるま?


フィスタ「コカイ●やってるってことね」


チャカ「おい、隠語にした意味がないだろ」


フィスタ「なっは~」


──あ、そういう感じなんですね。


6.贈り物したことある?or あげたいものはある?


フィスタ「あたしは毎日贈り物してるよ、あたしとの素晴らしい日々ってやつをね」


チャカ「好きに言わせてやってくれ。俺は……何かあったか?」


フィスタ「ほらあれ、この間くれたトヨタの最後の生産ラインで作った子」


チャカ「あれは弟の形見だ、やるわけないだろ」


フィスタ「この人、こんな性格だから素直に言えないんだよ」


チャカ「本当にやってない」


フィスタ「分かってるって(小声でインタビュアーに)照れてるんだよ」


チャカ「(深いため息)」


7.どこまで頼れる?


フィスタ「背中を預けてるよ、この人は背中撃たないからね」


チャカ「狙いは外さないな」


──そういう意味ではないような……。


フィスタ「腕を信じるってのも理由になるでしょ?」


──確かに。


チャカ「こいつはチャラけた感じだが、滅多に感情的にはならないし、基本的には合理的だからな。言う事とやる事は信頼できる」


フィスタ「(左右に体を揺らしながらシャドーボクシングをする)これをもっと言ってよっ」


チャカ「ブルース・リーとスティーヴン・セガールが天国でファ×クしまくってる最中にうっかり足を滑らせて地上に落ちてきて、胎児の中に入って転生してきたような奴だ……腕っぷしは信頼できるな」


8.相手のことどうやって褒める?


フィスタ「あんたが男だったらキスしちゃう!」


チャカ「男なのよ」


9.相手のことどうやって怒る?


フィスタ「彼があたしが嫌な仕事を持ってきたら怒るね、「あたしはキティちゃん並みにNGが多いの!」って」


チャカ「だったらだいたい大丈夫だろ……。」


10.ごめん! 実は黙ってたけど……


フィスタ「この間ふたりで捕まえた強盗、仲間の場所吐かせるために指を折ったんだけど、報告書にはあんたがやったって書いちゃった」


チャカ「気にするな、俺もその仲間を追ってた時にそいつを車でねちまったが、やったのはお前だって報告書を出した」


──書けません。


10-2.ごめん! 実は黙ってたけど、冷蔵庫のプリン……


フィスタ「プリン? ああ、プリンね。やっだも~そんなこと訊いちゃうのぉ? まいったなぁ~チャカ、どうするぅ?」


チャカ「……別にプリンは隠語じゃないだろ」


フィスタ「分かってるって~、プリンでしょ? あの、みんな大好きなデザートのプリンね?(ウィンクをする)」


チャカ「おい、ウィンクをするな。何か意味深になるだろ」


フィスタ「大丈夫、心配してるような意味とかないから。ただのプリンだもんね?(ウィンク)」


チャカ「ウィンクやめなさいっての」


11.相手について最近初めて知ったこと


チャカ「実はこいつ、三歳だったんだよ」


──へ?


フィスタ「詳細は本編でねってこと」


12.相手が血だらけの手で帰ってきて「人殺しちゃった」と言った。あなたはどうする。


チャカ「また一人でやったのか」


フィスタ「何で銃使わなかったの?」


──……。


13.YES/NOで答えてください

・誕生日知ってる→


チャカ「イエス」


フィスタ「会った日が誕生日だからね。あたしもイエス」


チャカ「本当か?」


フィスタ「(個人情報のため伏せます)でしょ? 2年前に、「昨日が誕生日だった」って言ってたからね」


チャカ「よく覚えてるな」


フィスタ「ふふ、1000曲を収録できるあたしの頭脳だからね(頭を指でつつきながら)。」


チャカ「初期のiPod……。」


・肩組める→


チャカ「できるにはできるが……ちょいとネタバレだな」


フィスタ「まだそこまで書いてないしね」


チャカ「メタいな~」


・ビンタできる→


フィスタ「あたしはできるけど?」


チャカ「ホントか?」


ビンタ入る


チャカ「が……がぶ……お、お前、そういう意味での出来るかどうかじゃないだろ?」


フィスタ「じゃああんたできる?」


チャカ「……。」


チャカ、ビンタを入れようとするが、フィスタは上体そらしスウェーで避けてカウンターでビンタを入れる。


チャカ「ぶ!?」


再びチャカはビンタを入れようとするが、フィスタは今度は体軸を傾けてスリッピングで避けてカウンターのビンタを入れる。


チャカ「がぶ!?」


フィスタ「ね、あたしはできて、彼にはできない」


チャカ「(顎を抑えながら)だからそういう意味じゃないって……。」


・食べ物「あーん」できる→


──どうぞ、このソーセージで試してみてください。


フィスタ「(ソーセージを睨んで)あ~ん!?」


チャカ「……。」


──……。


・お財布貸せる→


チャカ「俺たちは財布代わりにプライベーターの拠点から支給されてる端末を使うんだ。俺のはこれ(財布型の端末を見せる)」


フィスタ「あたしのはこれ(腕時計型の端末を見せる)」


チャカ「こいつは人に貸し出すのは厳禁だ。もしそれがばれたら、プライベーターの資格を剥奪されて、二度と仕事が出来なくなる」


14.相手にひと言なんでもどうぞ


チャカ「お前のおかげで毎日が退屈しないで済んでる、これからもよろしく頼むぜ」


フィスタ「こちらこそ、ハンナとの結婚式には呼んでね」


チャカ「だから、あいつとはそういう関係じゃあ……。」


フィスタ「ひ~と~こ~と~」


チャカ「……。」


15.ここまでありがとうございました。お二人が登場する作品を宣伝してください!


フィスタ「わたしたちが活躍する、現在連載中の『電気羊は子狐たちと30万年の明日を生きるのか』、甘くて切ない、けれどどこまでも本気な大人の恋を描いた純愛小説です。大人になって恋心を忘れてしまったあなたに、淡い気持ちを思い出させる素敵な作品になってます。読んでいたらきっと目頭が熱くなってディスプレイが見えなくなっちゃうんで、電車の中で読むのは厳禁ですよっ」


チャカ「……ここまでのインタビューで、よくそれ通せると思ったな?」


フィスタ「(小声で)ラスト0.5秒ですっごいどんでん返しがあります!」


チャカ「サブリミナル?」


──さすがに、ここはまじめにやった方が……。


チャカ「21××年の某国を舞台にしたサイバーパンクで、プライベーターっていう犯罪者狩りの犯罪者が、ひょんなところから思ったよりもでかい事件に巻き込まれるって筋だ。人類の進化だとか人間の自己意識だとか、難しいことも言ってるが、ややこしいことは抜きにアクション、銃撃戦、カーチェイスなんかを盛り込んだエンターテインメントだと思ってくれていい」


フィスタ「作者が『ファントム・クロウ』で出来ないことを思いっきりやってる作品だよ」


チャカ「メタいなぁ」


『電気羊は子狐たちと30万年の明日を生きるか』

サイバーパンクなSFアクションサスペンスミステリー!

https://kakuyomu.jp/works/16817330664330449918

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