チュートリアル開始
視界が切り替わると、俺は、広場の隅の方に立っていた。
ここが『キメラスキルオンライン』の世界?
広場は、ログインしたであろうプレイヤーで賑わっていた。
ガヤガヤとした声、広場に生えている緑から感じる緑の匂い、少しだけ感じる風の感覚、オープニングで感じたよりも繊細に様々なものを感じる。
あれは、事前収録の感覚だったんだなぁと思う。
そんなことを考えている俺の目の前に、ウィンドウが出現した。
俺は、出現したウィンドウを読む。
『アロン様』ログインおめでとうございます。
ようこそ『キメラスキルオンライン』の世界へ。
さっそくですが、チュートリアルを開始しますか? ”はい/いいえ”
※チュートリアルの内容は、メニューやウィンドウ利用に関するもの、動作に関するもの、プレイに関するものの3つになります。
俺は、早速”はい”を選択して、チュートリアルを開始する。
チュートリアルをしない人もいるのかな?
βテストとかで一度このゲームを触っている人はやらないのかもしれないな。
俺はそんなテストに参加していないため、当然チュートリアルをやらないと何が何だか分からない。
俺が”はい”を押すとチュートリアル開始の有無を問うウィンドウが消えた。
そのウィンドウが消えたと思ったら、すぐに次のウィンドウが出てきた。
わざわざ消さなくても同じウィンドウを内容を変えて使い続ければ良いのに。
そんなことを考えながら、ウィンドウを読む。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その1 メニューを開こう》
まずは、メニューを開きましょう。
メニューを開くには2通りの方法があります。
1つ目は、口に出して「メニューオープン」と言う方法。
利点は、確実に開くことができる。
欠点としては、「メニューオープン」を現地の人含め近くの人に聞かれるということ。
2つ目は、「メニューオープン」と念じる方法。
利点としては、声を発さずに開くことができる。
欠点は、慣れるまでは、1度では開かないことがあること。
どちらの方法でも良いので、メニューを開いてみましょう
へぇ、2つも方法を用意しているなんて親切だな。
俺は、独り言が割と多いタイプだし、「メニューオープン」と言ったのを誰かに聞かれたとしても気にしないから、口に出す方法に使用かな。
そう思いながらつぶやいた。
「メニューオープン」
俺がそうつぶやくと、チュートリアル用のウィンドウとは別に目の前にウィンドウが現れた。
チュートリアル用のウィンドウがメニューのウィンドウにかぶって邪魔だったので、手で持って端に避ける。
このウィンドウ、手で触れたんだな。
そして、動かせたんだな。
謎の感動がある。
感動していると、チュートリアル用のウィンドウが一度消え、また出てきた。
何でその方式なんだろうな。
そう思いながら、新しく出てきたチュートリアル用のウィンドウを読む。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その2 メニューを確認しよう》
メニューを開いて最初に出てくる最初の画面のことをメインメニューといいます。
メインメニューには、ステータス、フレンド、ストレージ、地図、インフォメーション、クラン・パーティー、設定、ログアウトの8つのアイコンと、時計の機能があります。
まずはこれらがあることを確認してください。
確認できたら、下にある確認ボタンを押してください。
『確認!』
メインメニューを見れば良いんだな。
俺は、端にどかしたチュートリアル用のウィンドウから、メインメニューのウィンドウ西線を移した。
メインメニューには、チュートリアル用のウィンドウに書かれていた、8つのアイコンと、時計の機能があることを確認した。
確認した後、再び視線をチュートリアル用のウィンドウに戻し、元気の良い『確認!』を押した。
すると、すぐにチュートリアル用のウィンドウが消え、次のウィンドウが出てきた。
メニューを確認する必要はあったんだろうか?
謎だな。
不良品じゃないかの確認みたいだったな。
そんなことを考えながら、次のチュートリアル用のウィンドウを読んだ。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その3 ステータスを確認しよう》
次は、ステータスを確認します。
メインメニューにあるアイコンの内、ステータスの物を押してください。
※基本的にウィンドウの操作は、手で押す操作と、念じて選択する操作の3つがあります。
※利点や欠点などは、メニューを出すときと同じなので割愛します。
ステータスメニューを開いたら、ステータスが、先ほど設定したステータスとあっているかの確認をしてください。
確認が出来た場合は、下の確認ボタンを、万が一間違っていた場合は、下の『初期化』ボタンを押してください。
初期選択のステータスの変更、初期化は、これ以降できませんので、きちんと確認をしてください。
※今のステータスから変えたいと思った場合も『初期化』を押してもらってかまいません。
『確認!』『初期化』
ステータスの確認か。
これ以降は、変更、初期化ができないんだな。
ということは、リセマラとか、単純にリセットも出来ないということか。
案外厳しいんだな。
運営はリセマラが嫌いなのかな?
それとも、〇〇環境みたいなのが嫌いなのかな。
まぁ、どちらにせよ、リセマラをするつもりも、流行に乗って構築を変えるつもりもないから、かまわないんだけどな。
俺はそんなことを考えながら、視線をメインメニューのウィンドウの方に移し、ステータスのアイコンを押し、ステータスメニューを表示する。
表示したステータスに誤りがないかを確認する。
キャラ:Lv.1
サバイバル冒険者:Lv.1/Lv.20
HP:100
MP:0
STR:30
VIT:30
INT:0
MND:0
AGI:30
DEX:30
《枠スキル》5
物理の心得
冒険者の心得
簡易鑑定
弓術
採取
《予備スキル》
《技》
『索敵』
《未解放技》
『サバイバル料理』『サバイバルクラフト』『陣地作成』『弾性防御』
称号:
ストレージ枠:11
合成力・分解力:1
《装備》
空腹:0
疲労:0
SP:0
NP:0
うん、誤りは何もないな。
選択したとおりの職業とスキルだし、割り振った通りの消費値、能力値だ。
俺は丁寧に確認してから、『確認!』を押した。
するとまた、ウィンドウは消えすぐに次のチュートリアル用のウィンドウが出現した。
俺はまたそのウィンドウを読む。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その4 設定を行おう》
次は設定を行います。
メインメニューから、設定のアイコンを押して、設定を開いてください。
そこで各種設定を行ってください。
グロさについての設定と、痛覚に関する設定、感覚に関する設定の3つに関しては、設定をすることを強く推奨します。
設定が完了したら、下の完了ボタンを押してください。
『完了!』
俺は、チュートリアルの指示に従って、設定を開いた。
まずは、チュートリアルが推奨している3つの設定から行うとするか。
まずは、グロさについての設定か。
あったあった。
設定の中からグロさについてという項目を見つけた。
えっと、モンスターの見た目のグロさや、モンスターを倒したときの死骸、怪我を負ったプレイヤーのグロさ、戦闘中の血しぶきなどのグロさ、に関して、総合的に設定できるらしい。
グロさを低くすると、マイルドな表現になったり、表現を省略してくれたりするらしい。
それはありがたいな。
俺はホラーとかスプラッタとか苦手だから、低く設定するとしよう。
大雑把に設定した後に、どのぐらいが良いのか参考映像を元に細かく判断していく。
結果、最低から少しあげたぐらいの設定にした。
さすがに最低にはしなかった。
最低にしたら、世界が全体的にメルヘンになって、リアルさが失われていたから。
さすがにそこまでではないと思い、リアルさの残る最低限に設定した。
続いて、痛覚に関する設定か。
これは、グロさについての項目の次の項目だった。
痛いのは好きじゃないんだよな。
でも、説明を読むと、痛覚を完全に遮断すると、攻撃されたことに気づかないで、回復が遅れて死亡してしまうということが多く起こるらしい。
さすがにそれは嫌だな。
でも、必要以上に痛覚を設定しようとは思わないな。
俺は、攻撃されたこと、HPが減っていることが分かる最低限程度に設定した。
後は、感覚に関する設定か。
これは、痛覚に関する項目の次の項目だった。
設定推奨の3つは並んでいるんだな。
これはありがたいな。
えっと、五感の強度を決められると。
0%から200%まで行けるんだ。
100%で良いんじゃないかな?
説明文にも、感覚にこだわったプレイをするような方以外ならば、100%を推奨するとかいてあったし。
実際に体験した感じも、100%がちょうど良さそうだしな。
よし、後の設定も1つずつ終わらせていくか。
それから数分で、設定を終わらせて、無事『完了!』ボタンを押すことが出来た。
『完了!』を押すと、ウィンドウが消え、次のウィンドウが現れた。
次のウィンドウにはこう書かれていた。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その5 インフォメーションを確認しよう!》
インフォメーションを確認します。
メインメニューから、インフォメーションのアイコンを押してください。
インフォメーションを開いたら、届いているインフォメーションを確認してください。
そのときに、インフォメーションの通知設定を変更することを推奨します。
インフォメーションの重要度を見る指標として、タイトルの最初に【必読】【重要】【推奨】【お知らせ】などが付いていることがあります。
インフォメーションを確認し得たら、下の『確認!』ボタンを押してください。
『確認!』
次は、インフォメーションか。
そう思いながら俺はインフォメーションを開いた。
インフォメーションを開くと、数件のインフォメーションが届いていた。
その中で、【重要】と入ったインフォメーションが1つあったので、それをまず開いた。
【重要】早期ログイン者に対するログインボーナス
『キメラスキルオンライン』に早期にログインしていただきありがとうございます。
運営から、早期ログインをしていただいた方全員に対して、プレゼントを用意しました。
プレゼントは、ストレージの方に直接入れてあります。
プレゼントの内容は以下の通りです。
《プレゼント》
1万G
NPの書(中)
初期に選択できるスキルの中からランダムで1つのスキルオーブ。
楽しい『キメラスキルオンライン』をお送りください。
へぇ、早期ログインボーナスか。
そんなのやってくれるんだな。
早期にログインして良かったな。
いつまでが早期なんだろうな。
今日まで? 今週まで? それとも今月まで?
まぁ、いつまでだとしても、正直どうでもいいんだけどな。
1万Gってどのぐらいの額なんだろうな。
円と同じぐらいの価値なのかな。
それとも、ドルぐらいの価値なのかな。
こっちの物価は分からないな。
NPの書か。
これだけどういう物かわからないな。
まぁ、使ってみれば分かるだろう。
ランダムに1つのスキルか。
何が来るのか楽しみだな。
あ、そうだそうだ、通知設定を変更できるんだよな。
デフォルトだと、何も通知が来ないのか。
うーん、じゃあ、【】が付いているものに関しては、通知を入れるようにするか。
【】が付いているなら読んだ方が良いだろうし。
通知音とかも変更できるのか。
まぁ、これはデフォルトのままで良いか。
よし、これでインフォメーションの設定は完了だな。
この流れ的に、次かその次ぐらいに、ストレージを開くチュートリアルがあるだろうから、そのときに確認しようかな。
そんなことを考えながら、『確認!』を押した。
すると、もうお決まりの流れのように、ウィンドウが一度消え、次のウィンドウがあわれた。
それに驚くことなく、ウィンドウに書かれていることを読む。
《チュートリアル》
《その1 メニュー操作をマスターしよう!》
《その6 開いていないメニューも開いてみよう!》
開いていないメニューを開いてみましょう。
今現在説明が必要なメニューの説明は終了しました。
残りの部分については、必要なときに説明されます。
他のアイコンも押してそれぞれのウィンドウを開いてみてください。
ログアウトに関しては、押すとログアウトされてしまうため、確認する必要はございません。
不具合がないかどうか、それぞれのウィンドウがどうなっているのか確認が出来たなら、下にある『確認!』ボタンを押してください。
『確認!』
他の説明は今はないんだな。
まぁ、今フレンドとかクラン・パーティーの説明をされてもどうしようもないもんな。
今使わないものは使うときに説明してくれるのはありがたいな。
じゃあ、残りの中でログアウト以外の、フレンド、ストレージ、地図、クラン・パーティー、の4つをさらっと確認するか。
そのついでに、ストレージ内にある、スキルオーブと、NPの書も確認するか。
俺は、ストレージを最後にして、それ以外の3つをパパッと確認した。
後は、ストレージだけだな。
どのスキルが来ているのかな、楽しみだな。
そうわくわくしながら、ストレージのアイコンを押した。
ストレージは、11枠あり、そのうち3枠が利用されていた。
お金は今は良いか。
俺はまず、NPの書を選択した。
すると、詳細を見ますか? 取り出しますか? と選択肢が表示された。
俺は詳細を見るを選択した。
すると、新たなウィンドウが出て詳細が表示された。
NPの書(中)
使用すると、NPを5増やすことができる。
譲渡不可
売買不可
破壊不可
紛失不可
へぇ、NPを増やせるんだ。
メインの効果以降の不可の連続がすごいな。
そこで物々しい雰囲気が出ている。
要は、本人以外は使えないよということかな。
まぁ、本人以外が使えちゃったら、リアルマネートレードの原因になってしまうからな。
妥当な判断だろう。
じゃあ続いて、スキルオーブの方も見るか。
こちらも詳細を見るを選択すると、新しいウィンドウが現れて詳細が表示された。
疲労耐性のスキルオーブ
使用すると、スキル『疲労耐性』を獲得することができる。
破壊不可
こっちは、譲渡したり、売買したりしていいんだな。
疲労耐性か。
耐性系のスキルか。
これは当たりなのかな?
少なくとも俺のスキル選びの候補には入れていなかったな。
まぁ、チュートリアルが終わったら、NPの書とあわせて使用してみるか。
使い心地は使ってから考えることにしよう。
俺はそう思いながら、『確認!』を押した。
今度は、ウィンドウが消えると、今までよりも少し小さなウィンドウが現れ、それと同時に頭の中にアナウンスが流れた。
”チュートリアル/その1 メニュー操作をマスターしよう! ”を クリアしました。
クリア報酬の1000Gはストレージに直接入れました。
”チュートリアル/その1 メニュー操作をマスターしよう! ”をクリアしたので、自動的に、”チュートリアル/その2 冒険者になろう! ”が開始されました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます