大騒動

 大騒動も大騒動だった。

 僕が生きていた。そう知れ渡った後の世界は。

 うちの家族も王都へと飛んで駆けつける……ところまではまぁ、そうだろうという感じなのだが、普通に他国の王侯貴族まで何か僕へと会うために駆け付けてきたりしてきた。

 うん。意味がわからない。

 僕はもう自分の安否を確認しようとしてくる人たちの対応に溺れ、非常に大変なことになっていた。


「うがぁー!何で僕は閉じ込められているぅ!?」


 そればかりか、その対応を一通り終えた後、僕のお店は何時の間にか忽然と姿を消しており、代わりに僕は幽閉される憂き目にあっていた。

 僕は今、王城の豪華な一室に閉じ込められ、自由な行動を制限されていた。


「僕は、僕は風俗店を経営していたいだけなのに……ッ!」


「それが駄目なんでしょう?貴方に二度とあんな危険な商売をさせるつもりはないわ」


 嘆きの声を上げる僕に対し、監視役として配置されているリーシアが声をあげる。


「これは私だけじゃなく、この国全体の意見よ。そう覆ることはないわ」


「ぐぅ……」


「何が不満なのよ。貴方にとっての不都合はないはずよ。お金なんて稼がなくともいくらでも金銭は渡すし、魔法の研究をしたいのであればそのために必要なものを何でも提供するわ。貴方がここで不都合を被ることはない……女だって、私が相手になるわ。……それでも、足りないというのなら、どんな人間でも貴方の相手になるわよ。貴方に抱かれたいと思っていない女はいないのだから」


「ぐぅ……ッ!」


 違うのだ!自由だからこそ意味があるのだ!

 抑圧された檻の中!?そこに一体何の意味があるというのだ!?こんなところにガチガチに囲まれていたら、ちょっと酸っぱい匂いのする下町の可愛い子とかとは遊べないじゃないかっ!?


「だから……お願い。もう、ここにずっといて。貴方には、危険な


「……わかったよ」


「そう、言ってくれると助かるわ。貴方の実力を軽視する人は誰もいないわ。貴方が何か魔法を発動させたり、外に出ようとしたらすぐに魔法が発動して貴方の体を拘束すると共にテールが召喚される手筈になっているわ」


「そんな警戒しなくとも……」


「貴方のプライベートも、用意するつもりよ……それじゃあ、私は席を外すわ。何かあったらすぐに呼んで頂戴」


「わかったよ」


「……それじゃあ、お願いね」


「ん、わかったよ」


 自分が軟禁されている部屋から出ていくリーシアを見送りながら、僕は大人しくベッドに寝っ転がっているのだった。


 ……。

 

 …………。


 確かに、この部屋の中は最悪だ。

 ただ僕を封じ込めることだけに全神経が注ぎ込まれている。僕が、僕だけの力でこの場を何とかするのは不可能なように感じた。


「おい、魔女」


 故に、僕はちょっと外部から手助けを求めることにした。

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