涙
魔女のことは何とかなった。
僕は間違いなく魔女教を叩き潰し、魔女をも手駒にしてみせた。
戦い自体は圧倒的な勝利だったと言える。
「あっ、三人とも。おかえり。テールだけに仕事を頼んだつもりだったんだけど、リーシアに……ティアラまで。そんなに大勢で行っているなんて思わなかったな」
そんな大勝利を手にした僕は普通に自分の店へと帰り、勝手に片付けられていた店の中を元の状態に戻そうと奮起していた。
僕は死んだ扱いされているだろうから片付けるのはまぁわかるけど……気に入っていたインテリアとかも回収されていて普通に悲しかった。
自分のセンスではいい感じのインテリアを作ることが出来ない。
「「「はっ?」」」
なんてことで悩んでいた僕の前で、リーシアたちはありえないとばかりの視線をこちらに向けてきていた。
「な、なんで……ここに?」
「僕がそう簡単に死ぬわけないでしょ?」
「……あ、ありえない。あれは、確かに……ノアの、死体だった」
「死体であったことは間違いないね。確かにあれは僕の死体だった。その上で僕は死なないのさ。テールの目測は間違っていないから自信を失う必要はないよ?」
「ノアが……生きている、んですの?そんなことが、あるわけ……、ないですの」
「何さ。みんな僕に死んでほしかったの?萎えてど派手に自殺しだすよ?」
僕が生きていることがそんなに信じられないか。
「いや、まぁ、信じられないか。うん」
死体があったらそれはもう終わりだよね。うん。
「でも、ほら。僕は生きているから」
「ほ、本物……なのか?」
「……ノア」
「し、信じられないですわ。こんなことが、こんなことが、あるなんて」
「信じてよ。ほら、匂いとかでもわかるでしょ?」
僕は今もなお信じられていない様子の三人の前に立ち、そのままくるりと一回転。自分の存在を誇示する。
「「「うわぁぁぁぁああああああああああああああああんっ!?」」」
それで、三人の心が決壊したのか。
リーシアたち三人はその瞳より大粒の涙を流しながら、僕の体へと突っ込んできて力いっぱい抱きしめてくる。
「ちょっ!?ひっつくな!?セクハラで訴えるぞ?!」
あ~もう!?体が鼻水やら涙やらで大変なことになっているんだけど!?
「「「うわぁぁぁぁああああああああああああああああんっ!?」」」
「はぁー、もぉ~」
まぁ、今回に関してはどう考えても心配かけた僕が悪いか。
そう受け入れた僕は自分へと引っ付きながら涙を流している三人のことを抱きしめるのだった。
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