魔女教

 魔女教。

 それは僕が生まれるよりも遥か昔より存在するカルト宗教。伝説上の存在である『魔女』の復活を目指し、暗躍し続ける厄介者だ。

 魔女が復活の為に。

 その言葉のみを携える彼女たちはありとあらゆる非道な人体実験へと手を染め、幾つもの国を滅ぼしてきた。


「はぁー、お前らと一戦交えるのが一番面倒なんだよなぁ?」


 大量の被害を至るところに出し、世界を敵に回していると言ってもいい状況の癖して今なおその勢力を保っている。それが、彼女ら魔女教が強大な組織である何よりもの証明。


「毎回……目的もわからんし。ハイポイズンスネークのクローンなんか作って何がしたいんだが」


「の、ノア!?意味もなく独り言を話していないで!相手は魔女教……油断出来るような暇はっ!」


「なんて言いざま」


 僕がリーシアの言葉に対して肩をすくめ、それと同時に魔法が発動される。

 魔女教徒たちの足元より複数の鎖が飛び出し、そのままその体を絡め取っていく。


「魔法使いに詠唱を唱えさせてもくれないの?」


「……へ?」


「ちっ。ほとんどの魔法が弾かれやがった。雑談風詠唱の奇襲性はイマイチ……?いや、普通に発動した魔法のレベルの問題かな?」


 触れた瞬間に相手を弱化させる鎖で拘束し、そのままイージーウィン。なんなら、生け捕りまで狙っていたわけだが、僕の思惑とは逸れて魔女教徒の連中は鎖を一瞬で消滅させ、そのまま弱化まできれいさっぱり弾き返される。


「仕方ない。真正面から打ち倒すか」


 魔法は何だって出来る。

 炎で森を焼け野原にすることも、水で街を飲みこむことも、地震を起こすことも。その場その場に合わせて色々なことが出来るのが魔法の強みの一つでもある───だが、僕は戦闘における魔法の種類なんて一つでいいと思っている過激派だ。


「魔砲」


 僕の杖より押し出されるのはシンプルな魔法。

 ただ魔力を集めて打ち出しただけの魔法だ。ただそれだけではあるが、威力と速度のみに全振りさせたこいつは直撃さえさせられれば大体なものを消し飛ばせる。それだけの自信を持つ魔砲を、向けられた魔女教徒はあっさりと回避する。


「当てられるよう、私が前線を張って追い詰めるわ。合わせてちょうだい!」


「勝手に外した判定しないで」


 一度、よけられたくらいで外した認定されるなんて心外だ。

 魔砲はここから。一度避けれた魔砲は突き進む途中で幾つもに枝わかれし、そのまま回避した魔女教徒に向かって殺到してそのままその体を打ち抜く。

 何本かは避けたようだったが、すべてを避けきることは出来ず、確実にその頭が潰れた。これで一人はやれた。


「腕はなまってないね」


 ちゃんと戦うのはこれが久しぶりだ。

 魔法がしっかり発動してくれたことに安堵した僕はそのまま杖を回し、幾つもの魔砲を放つのだった。

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