呼び出し
「あぁー、やらかした」
妊娠していたレーヌを連れて役所に連れて行き、そのまま満足して帰ってきた僕は一人、お店の中で頭を抱えていた。
「元の予定をすっぽかしたよ」
僕が元々、外に出ていた理由は何だったか?家から減っていた食料を買い足す為だった。
それを完全に忘れていた。何もせずに帰ってきてしまった。
「最悪だよ……今日、食べる分の野菜がない。終わった。もう駄目だ」
毎日健康に。
早寝早起きを心掛け、毎日三食。バランスの良い食事を心がけている僕としては、夕食にサラダがないことは中々来る。
もう時刻も時刻だから、お店は閉まっている。今から買いに行くことは出来ないだろう……うぅん、僕が行けば開けてくれるとかないかな?いや、あると思うねんな。その上で、うぅーん。色々と要求されそうではあるからなぁ。
「何頭抱えているの?」
なんでことを考えながら店の中で頭を抱えていると、いつの間にか店の中へと入ってきていたリーシアが僕の方へと声をかけてくる。
「あー、いたんだ。いらっしゃい。僕が頭を抱えていた理由なんて大したことないし、気にしないで」
「あら?そう?なら、いいけど……それで、貴方に伝言があるの」
「伝言?どこから?」
「貴方の実家からよ」
「……うへぇ」
実家から、そう告げられた僕は顔を顰める。
実家。そう聞いて喜ぶことは出来ない。当たり前と言えば当たり前だが、実家の方は今の僕の生き方を受け入れているわけじゃないからね。
「招集よ。出来るだけ早く、実家の方に戻ってくるよう言われていたわ。ちゃんと、戻ってあげなさいね」
「……はぁー、わかった。良いよ」
拒否することは出来ない。
こんな僕にも立場というものがあるのだ。忌々しいことだけどね。親からの言葉を完全に無視する訳にはいかない。
「……あっ」
「ん?何かしら?」
「いや、そうだな」
行くの嫌だなぁ……とか思っていたけど、冷静に考えれば、今から実家の方に行けばご飯食べれるな。実家で出る貴族らしい豪勢な飯が。
「よし。それじゃあ、帰るか。今すぐ」
どうせ行かなければいかないのだ。
僕が行きたい思えるだけの理由とともに向かいたい。
「えっ!?今から!?」
「うん、今から。久しぶりに実家で夕食を食べるのもいいかな、って思って」
「え……?」
「それじゃあ、行こうか」
思い立ったが吉日。
行動は早ければ早いほどいい。
僕は早速出立の準備を始めるのだった。
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