(12)かほ - アイツと2度目の春
アイツの告白がきっかけで、もうこの仕事は無理だとさとった。新しい生活を始めたいけれど、アイツにいったらつきまとわれるかもしれない。そもそも拒絶感しかないから関わりたくない。だから、内緒でやめることにした。
2度目の春、6回目の指名をされた。これが最後と覚悟を決めて、わたしの大切なところをアイツにゆだねた。切ない声を出すふりをして、アイツの様子をうかがう。あとちょっとのがまん。
わたしはアイツに手をのばした。ゆっくりもてあそんだけれど、わたしはあきらめの心境だった。アイツはお気軽にいつもよりすごいと、声にならない声を出している。わたしがアイツの名前をつぶやいたのも、これが最後。仕事だから適当にやさしいふりをした。
店をやめると、アイツに会わずにすむようになった。本当に気が楽になった。一目ぼれなんていって笑いあったけれど、そんなのは全部ウソ。心が通じあうなんてありえない。アイツとの全てが苦痛だった。二度と思い出したくない悪夢そのものだった。
(つづく)
(第1章「作品解説」)
https://kakuyomu.jp/works/16818622175437139934/episodes/16818622175599033689(CatGPTって、なに?)
https://kakuyomu.jp/works/16818622175437139934/episodes/16818622175437190031
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