第30話

ちょ、ほんとに!?


今思ったけど綾の意見なんて参考にならないんじゃないの!?



泣きそうになりながら、恐る恐るグミを口に運ぶ。


グミをほんのちょっとだけ、囓って咀嚼してみれば。




「……………」




………うん。




「…普通」




ほんとに普通だ。


逆に綾の意見がアテになったことにビックリだ。


本人には言わないけど。




「だろうね、それホットケーキ味だし」



「あ~、予想外に普通だったから逆に変なモン入ってんのかと思ったわ~」




しれっと答えた陽平に、苦笑しながら言う奏。


しかし最初の1個が普通だったからと言って、気を抜いていいワケではない。


促されるまま、みんな2番目のグミを手に取る。


今度は5人同時に、グミの端っこを囓った。




「……………」



「……………」



「た、食べれないことは無い、よねー」



「……ああ」



「食べれないことは無い、わね」




コレって。




「醤油じゃねぇの?」



「そ、醤油」



「砂糖入ってるせいでみたらしっぽい味じゃね?」




綾の言葉に頷く。


うん、なんか。


間違ったみたらし団子、って感じの味がする。

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