第6話 最期の決断

 学校にも行きづらい、彼の姿は見たくない。私はもう何もできなくなっていた。

 SNSが怖いのだ、開かないから誰とも連絡が取れない、そんな日々をただ繰り返した。そんなある日Bが自宅を訪ねてきた。

 彼女は、やつれて元気のない私を見て涙を浮かべながらとある提案をした。

 私はそれを聞いて逃げるかのようにその選択を承諾した、数日後の夜恐怖のSNSで最期の承認欲求を満たそう。


 あぁそういえばこんな事があったな。

 私はBの隣で疑問を解消した、時刻はとっくに日を跨いでいる、しかし今の私たちには関係ない配信ボタンを押して画面の前に立った。

 深夜に2人高校生が屋上に立っているんだ、視聴者が黙っているわけはない。

「そこから離れろ」「相談すれば間に合う」

「大人を頼れ」私には理解ができない、それで治るならこんなところにいないからだ。

無関係で無知な人間の言葉は、私にとってとても無責任で不愉快だった。

 その時は刻一刻と訪れている、無数の自我を持った目は画面の奥の安全地帯で無責任に言葉を吐いてる、Aは今頃何をしているのだろう、遊んでいるのかな寝てるのかな、考えるのも馬鹿馬鹿しい。

 もう私は疲れたのだ、その時Bが「もういい?」と問いかけた私はそれに対して数ヶ月ぶりに笑顔を見せた。

 そうして私たちは飛び立った。

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