第11話
その日からユキナの生活は完全に「ましろちゃんの母親」になった。
・オムツ替え
・絵本の読み聞かせ
・ベビーカーの購入
どれも現実と寸分違わないほどリアルなのに
そこにいるのはただの“人形”。
夜、ユキナはましろちゃんを寝かしつけるとレンの腕に顔を埋めた。
「……ねえ、レン……ましろちゃん、ちゃんと私たちのこと好きかな?」
「……好きだよ、きっと」
「そっか……よかった…。」
そう言ってユキナは安心したように目を閉じた。
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