第2話 ふたり


レンとユキナが出会ったのは今の職場だった。


入社したばかりの頃、慣れない作業に戸惑っていたユキナにそっと声をかけてくれたのがレンだった。



「分からないところあったら気楽に聞いていいからね!」


その一言が当時のユキナにはとても温かく感じられた。


それ以来、仕事の合間にちょっとした世間話を交わすようになり、気がつけば自然と距離が近づいていた。



レンは真面目で、仕事ができて、周囲からの信頼も厚かった。


ユキナは甘えん坊で少し抜けているところもあったが人懐っこくて憎めない性格。



性格は正反対だったが、だからこそ惹かれ合い、自然と交際へと発展していった。  



付き合ってからもレンはいつも穏やかで、ユキナのわがままや不安定な感情にも根気強く付き合ってくれた。


 


――ただ、順風満帆だったわけではない。


 


ユキナは少し嫉妬深かった。


レンが同僚の女性の話をしただけで黙り込み、ラインの既読がつかないと不安になって電話をかけてくる。


レンが会社の飲み会に行く日はいつも険悪な空気にもなった。

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