あとがき
本作、なんだかよく分からない物語なのに、最後までお付き合いいただきまして、皆さま本当にありがとうございました!
他の作品が連載中なのになぜ突然この物語を書き始めたかというと、首の神経を痛めて左腕が眠れない程に痛み、GWを悶えて過ごした訳ですが、飲んでいた薬が効かなくて増量したところ、眠くてどうしようもなくなったんですね。それでまともに頭が働かなくても書ける物語を書いて痛みを紛らわせたかったのが理由です。
特に賢者イズミの『独り身のまま死んだ私を憐れんだ女神さまが異世界で恋人を作るチャンスをくれた! でも『賢者』って恋愛に役立つの!?』が書けなくなりました。賢者が主人公ですから頭働かないとどうしようもないですしね。まあ、『聖騎士の幼馴染を取り返した男の物語』についてはすごくバカな話なのですが、これはこれで書けなくなってました(宣伝終了)
本作は、よくあるテンプレNTR異世界ファンタジーを、視点とテイストを少し変えて描いた物語となります。テンプレ的には大事な人に裏切られ、逃げた先で何故か(!?)ハーレムを形成して復讐するという話になるのですが、それをそのまま持ってきています(確か、私が最初に読んだその手のは盾の勇〇のうんたらかんたらとかですかね)。
テンプレと違うところは、まずこの手の話によくある瑕疵ヒロインに対して『八つ裂きにしろ』とかその手の類似コメントですね。それをお望み通り実現しました! さらには、王子の居る王国に対して『滅ぼせ!』みたいなのも定番ですね。これも実現しました!
こんな地獄のような世界でマリアとゼファルは嘆き、あるいは怒り、我を失います。ただ、よく考えてください。この世界には既に魔王が居ます。ゼファルが闇に閉ざされたというくらいには大きな存在です。その魔王がレインにすげ変わったに過ぎません。人って案外しぶといもので、新しい環境に変わったなら、もう腹をくくって慣れるしか無いんですよね。やっちまったことは仕方ねえ、そこからどう生きるかです。
セリスが心を組み立てなおすというのも、ヒロインを精神崩壊するほど酷い目に遭わせろってコメントの実現ですね。ただこれは、マリアが途中から開き直って創作に心を寄り添わせることで強メンタル化してしまい、セリスを呆れさせてしまったわけです。創作ってそのくらいの中毒性があるんですよ。皆さん、創作しましょう。
ところで、セリスがマリアと腹の中を交換したという話、これもヒロインの腹なんて汚らわしい、新品にしろというコメントの実現です。夢が広がりんぐですね。
冗談はさておき、フィリアは普通の人間で健康優良児でしたので子沢山になりました。ルルとリリはエルフですので普通に子供ができませんでした。拙作『王子の私の配下の女の子が全員NTRれているんだけど手を出しただけの覚悟はあるんだよね?』のエルラは想い人と交わると寿命が尽きるという呪いを受けていましたが、それと関係あるかはわかりません。ただ、エルラが子供を残した方法は、普通の肉体的な交わりでは無かったので、ルルも普通の交わりでは無かったのかもしれません。普通の交わりは既にやってたでしょうから。
セリスも普通の交わりはやってたと思います。ただ、彼女は不老不死な上に、どう見ても普通の人間ではありません。もしかすると肉体の老化を止めるほど遅くする=時間を止めるほど遅くする=氷のように冷たくなっていたのかもしれません。そんな彼女には子供を産む能力がなかったのでしょう。彼女が最後にレインと一緒に過ごせて幸せだった――ではなく温かかったと言ったのは、彼女の氷を解かす、つまり時間を進め、老化してしまうことだったのかもしれませんね。
本来、主人公であったレインは、その内面を表すかのような、この世ならざる怪物へと変貌しました。ハーレムの仲間たちも、一人で国を亡ぼせるような無敵の女の子たちです。あ、ちなみにセリスを除いて見た目が少女なのは、テンプレに合わせてあるからです。私は背の高い女の子の方が好きなので! あとフィリアが少女なのに胸が大きいのもテンプレです。あとになってこの描写が現れるのは、当然マリアに心的余裕ができたからです。
本編中で語られている通り、レインがここまで変貌したのは、それだけマリアに対する想いが強かったからです。ハーレムで満足するようなヘタレではありません。やることやってましたけどね。
フィリアがレインの暴走を醒めた目で『女に捨てられただけでそこまで思い詰めるものかとも思うけど』というのも、コメントでも言及されましたが正論なんですよね。だって『痴情のもつれで一家惨殺』とかニュースで見たとして、殺されるのも仕方ないよねなんて普通は思いません。フィリアとセリスには王国への恨みがありましたが、レインを見て醒めちゃったわけです。
そういうわけで、セリスは昔のマリアを取り戻したいなら、レインに元の優しさを取り戻すようにと説得し、ハーレム全員で協力し合ったわけです。そして最後はご都合主義のハッピーエンドです。ま、そもそもフラれてスーパーヒーロー化しちゃう主人公だとか、突然ハーレム形成する方が余程の御都合主義だと思いますしね!
今回、面倒なのでキャラの名前は、少し前にAIに作らせたテンプレ異世界ファンタジーの設定から流用しました。テンプレキャラって私、ネーミングが適当なんですよ。『結婚の約束をした幼馴染が他の男を好きになったと離れていったが、クラスのアイドルと長身バスケ美少女と隣の席のツンデレ美少女と仲良くなった僕に今更好きだと言ってきてももう遅い!』でもテンプレキャラにはベッタベタな名前を付けてます。ルシペルヘイムもルシファーの住まいって意味でライトなイメージにしたんですが、『ファー』の部分を『プファー』→『ペル』にしたものですから、なんか虫みたいになりましたw
側仕えについてはスラヴ系っぽい名前がついてますが、最初に付けたのが強そうなおばあちゃんのオリガでしたので、そちらに倣いました。いや、スラヴ系のおばあちゃんって強そうじゃないですか。作中でもオリガはかなり強そうでしたし。ルチアとタチアナもいずれそんな感じになるんだと思います。たぶん、貴族階級と平民では名前の付け方が違うんじゃないかなと思います(適当)
ルチアやタチアナが、マリアの傍で顔料をゴリゴリと挽いて油と練ってたりする光景はほほえましいなと思います。
ちなみに千の剣の怪物(スコラハス)は『堕チタ勇者ハ甦ル』にて登場する召喚される伝説の怪物です。それから、ルルがこの地の始まり、つまり『地球がまだドロドロの溶けた岩の塊だったころ~』ってネタのこの世界版『この地がまだ平らで地面の下に竜が棲みついていなかったころ~』ってやつですけど、『堕チタ勇者ハ甦ル』の世界って地面の下を竜が這いずり回って山脈を作った世界なんですよね。まあ、同じ世界とは限りませんが。
なんだこれ? みたいなナンセンス物語でしたが、面白かったとコメントしてくださる方が一人でも二人でもいらっしゃれば、私は書いた甲斐があったと幸せになれます。
本作、巡り合って頂きありがとうございました!
皆様のweb小説ライフに幸あらんことを!
浮気をして亭主を捨てたら、この世を滅ぼす災厄になって戻ってきた。ここから語られる救済はありますか? あんぜ @anze
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