第31話 飲みニケーションで差を付けろ
中国の販売会社で働いている時、山東省の総代理総経理から、「人生に一番必要なものは何だと思いますか?」ご存じと思いますが、中国人はディベートが大好きです。食事のおかずの如く、テンションは上がって行きます。彼はずばり「酒」と言い、理由を添えて、テーブルを囲んだ人々を説得して行きます。大半の意見が「酒」に流れた時、私が「夢」と別の意見を言いました。
「酒」の言い分は、「人間の気持ちが萎縮するのは、恐怖だ。酒は恐怖を取り除いてくれる。だから酒だ。」彼の「夢」への反論は、「夢と現実が乖離した時、恐怖しか残らない。だから夢ではない。」熱い議論は、大声で唾をばらまき、お店が困るほど激論となる。酒も抜け冷静になった時には、信頼が芽生え、友情へと変わって行った。1人の人間としての絆である。
中国内陸で、35店の総代理店を設置し、1人1人絆づくりを推し進めた。酒を飲み激論を交わし、解り合えれば、私の夢を助けてくれた。彼らが開拓してくれた販路は約4000店。我が社の販売実績も約10倍となり、「皆で世界に通じる1流になろう。」と目標を共有化した。中国の歴史DVDを観ると、酔わせて本音を引き出すシーンに良く出くわす。三国志演義・関羽と劉邦等々。「酒文化を大事にしている国」だと理解できる。
しかし、私は「夢」を強烈に主張した。
戦争時、酔わないと戦えませんでしたか?日本の侍は、腹を切る前に、酒を飲みましたか?「酒」はごまかしです。これを言ったら興奮がピークに沸騰。日中の戦いになってしまいました。日本人は私一人断然不利です。このような体験で言える事は、腹の底から言い合った後には、互いの信頼が生まれるという事です。現在の若者は、飲み会に誘うと、「これは仕事ですか?」から入って来ると聞いています。私からのアドバイスは、腹の中に貯める事も大切ですが、言い合って絆を構築した方が、上手く行きます。成功のカギは、相手の意見にも同意する事です。だけど自分の意見を曲げない事です。最初から変な質問をする人は、参加意識が無い人でしょう。時間の無駄です。
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