第13話 こっちから会いに行け

商売によっては、「店に来て貰うしかない」業種と「お客様の家まで訪問できる」業種とに分かれます。待つより攻める方が、相手の情報が事前にキャッチできるため、成約に繋がる確率は上がります。「私の為に」「わざわざ」という恐縮さも合わせ、お客様が「何かできる事=礼」に繋がるケースもあります。


営業になって、新店舗OPENに立ち会う場面に出くわします。開店3日間は、店に来る客は多いが、販売には繋がらない。「見に来る客」「関係者の客」「近所の客」

簡単なアンケートに答えて頂き、開店記念の粗品を配ります。夜には、来店客をリスト化し、「アプローチリスト」を作成する。


4日目からは、嵐が去った静けさ同様に、来店客は激減する。そこで活躍するのが、「アプローチリスト」です。来店者が少ないのなら、「こっちから会いに行け」です。「先日の来店、有難うございました。お礼に無料点検を行っております。如何でしょうか?気になるところ、不便を感じるところは無いでしょうか?」ゴールは、使用しているものを持ち帰り、顧客リストを作成する事です。


顧客リストには、家族、使っているもの、趣味、嗜好など記入します。次のアプローチ日を記録し、準備します。(例、車は6か月ごとに点検です。)このように、一つ一つ積み上げていくと、一生のお客様へと変わって行きます。私は「信頼の上書き」と呼び、固定客化を推進していました。お客様が、どんな暮らしをしているのか?店で会うお客様ばかりを見るのでなく、こっちから会いに行き、新たな情報を捕まえ、売り込むのです。


さだまさしの歌の歌詞の中に、

♪地図の無い街を探したければ、始めに地図が必要

買いそうなお客様を探したければ、始めに顧客リストが必要、だと教わりました。アプローチするのも、顧客リストで、絞り込みする。「顧客リスト」こそが商売の「守りの要」と思います。お客様を知らないビジネスに成功など、ありえません。

だから、「現場」を重要視するのです。

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