第11話 結束力を増す鐘と太鼓
古来より日本では、鳴り物・打ち物で時間や物事の始まりを告げました。 神社で打ち鳴らす太鼓を「号鼓(ごうこ)」と呼び、これには神事開始の合図のためだけでなく、御社殿内を祓い(はらい)清め、参列者の心を鎮めるという意味もあります。
営業イベントで、店頭を出て、外部でPRをする機会があります。その時に有効なのが、「鳴り物」です。セールの始まりを告知し、集客を図り、スタッフを仕事に集中させ、お客様を盛り上げる。くじ引きと同時に行う鳴り物は、「当たり」でも「残念」でも、お客様の心に、「楽しい思い出」を残せます。
願いは、「買ってください」です。盛り上げは、営業マンの使命です。来場者の前で、お客様を呼び寄せて
展示会を行っていると、なぜか、映画男はつらいよ の寅さんを思い出します。鳴り物は寅さんの口上と同じように、人の心に「楽しかった」を印象付けるものだと思って、誰も知らない土地だと決めつけ、頑張りました。
頭の中には、いつも寅さんが居てくれたように思います。「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、
人呼んでフーテンの寅と発します。」
「さて、いいかねお客さん。角は一流デパート、赤木屋、黒木屋、白木屋さんで、紅白粉(べにおしろい)つけたお姐ちゃんから、ください、頂戴、で頂きますと、五千が六千、七千、八千、一万円はする品物だが今日はそれだけくださいとは言わない!」「田へしたもんだよ、蛙のしょんべん、見上げたもんだよ、屋根屋の、ふんどし。 はい、どうです。」
「盛り上げ」「集客」には、口上。出来なければ、鳴り物の「鐘」「太鼓」が効果的です。騙されたと思ってやってみてください。
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