新興宗教の伝道をしていたら魔女に襲われた。

稲富良次

第1話 プロローグ

恐怖は心を殺すもの。

恐怖は全き抹消をもたらす小さな死。

私は恐怖に立ち向かう。

私は恐怖が身内を通り抜け、通過するを許す。

しかして恐怖が通り抜けしのち、内なる目をその通り道に向けよう。

恐怖の通過した跡にはなにも残っていない。そこに残るはただ己のみ。


私は佐藤藍子

天真教青年部に所属している。

ちなみに神和大学の一回生

乗馬部に所属してるの。

知ってる?

神和大学って立派な「乗馬場」あるんだよ!

お馬さんカワイイ!

まだ乗せてもらえないけど・・・一回生だからね・・・

今日は同年代の青年部の女子と近所を伝道することになっているの。

ペアは原則、何かあったらいけないものね。

神戸高校の横の教団本部から自転車に乗って摩耶方面に向かう。

五月の風が肌を撫でて気持ちいい!


坂道を下ってバス道に出る。

精養軒ってフランス料理屋があるけど入ったことないな…美味しいのかな?


そのまま2系統のバス道を東に向かう。

五毛天神を過ぎた。

もう春祭りも終りね、教義が違うから行かなかったけど屋台で買い食いはしたい。


信用金庫で自転車を降りる。そこの軒先に自転車を停める。

ここの信用金庫が営業しているの見たことないんだよねぇ。


平日の昼間に人いるのかな?

とりあえず丸山公園に続く通学路の坂を上がる。


途中で末日聖徒の刈り上げのハンサム外人とすれ違う。

広域指定暴力団菱山組の近くに教会あるんだっけ・・・

私達も負けてらんない!


六甲山と摩耶山の緑が綺麗・・・


何気なく路地を曲がる。


いたいた!

今まさに玄関から出ようとしている60代くらいのオバサンを見っけちゃった!


「あのぅすいません時間ありますか?」



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