幕間1 この3人なら、大丈夫!
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土曜日のもうじき夜となる頃合い――私は自室でスマホを開き笑みを浮かべていた。グラミーのグループにはあかりと恋とそれに私が登録されている。
グループ名はきら学VTuber部。
そこに私は、
結依:みんなー、いま何してるー?
ていうーか、いよいよ来週からだよ! VTuber部の活動! 楽しみだねー☆
あかり:音楽聞いてるよ
ま、少しVTuberのこと勉強したからどうにかこうにかやってやるよ
恋:私は部屋でくつろいでたとこ
VTuberの勉強か……、私も明日はいろいろなVTuberさんの配信見て勉強しないとね!
あかり:来週にもう配信しちゃうのか?
てか、機材買わないといけないよな
結依:来週はねー、私達のキャラクターを作ろうと思ってるよ!
まずは、身体作らないとね☆
あかり:そっか、まだアバターすら作ってないもんな
私達のアバター、どんなのにしよっかな……
恋:かっこいい感じがいいなー
それでどことなくキラキラしてる感じの
結依:いいね! てかこういう打ち合わせっぽいの憧れていたんだ!
あかり:でも、そうなると、配信はまだ先になっちゃうな……
ま、間に合わせでやるよりはましか
結依:そうだねー
でもわくぷろ部の人たちなら、ずばばっと生み出しちゃうかもよ?
恋:私、わくぷろ部の人達にまだ会ったことないなー
どんな人達だろう?
あかり:私も会ったことない
結依:いい人たちだよ! あの人達なら大丈夫!
あかり:てか、恋とも会ったことないし……
恋:私もあかりと会ったことない
結依:そっか、2人は初顔合わせになるんだ
お相撲の力士さんの気分なんだね、いま
あかり:いや、力士って、対戦するわけじゃないしwwww
恋:わたし、そんな太ってないけどー
結依:とりあえず、5月中にはデビューできたらいいね!
3人での会話があっという間に過ぎていく。
「結依ー、ちょっと買い忘れがあって今からお母さんスーパーに行ってくるけどー?」
「あ、私も行きたい! ついでに本屋寄りたいなー。買いたいのがあるからー」
お母さんの買い忘れに付いていくことにした私は2人にその事を伝えて用意をはじめる。
高校入学までの休み期間と入学してからの今この時までの期間が同じだなんて思えないや。……まぁ、勧誘は実質2日しかやってないんだけどね。
「結依ー、お母さん先に車で待ってるねー」
「あ、私ももう行くよー!」
グラミーではあかりと恋が相手を窺いながらの会話をしている。
あかりは恋に、このVTuberいいと思うっておすすめのVTuberを教えたりしている。
この3人なら、大丈夫。そんな気がする。
服を着替え、鞄を肩に掛ける。そして部屋を出て、玄関を開け、お母さんが待つ車に乗る。景色が走る中、私はスマホに映る2人の初顔合わせ前の探り合いを笑みを浮かべて見つめていた。
いよいよ、来週から、VTuber部の活動が始まるんだ!
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