眠る前のおはなし

木曜天文サークル

眠る前のおはなし


「先生、昨夜僕は、全ては相対的だと気づいてしまったんです。僕たちはまだ宇宙のうちでたった4.6パーセントしかその正体を知りません。ですが、たとえ10次元の空間や宇宙ひもの存在が立証されたとしてもここが虚構であるという理論は破綻しませんよね?私たちは自分の五感を通してしか世界を認知できないのですから。」




「ああ、私や君が認識方法を改めない限り確かにここは虚構であるし破綻しない。だが理論と思想は区別しなければならない。たとえば、私が角度はラジアンで表した方が簡潔であるという結論に至ったのは10歳の頃だが、それを評価する軸に0や1の数値を与えることは出来ないし、そもそもここが虚構であるという前提を持ち出すなら君が言うようにもうそれらは何の意味も持たない。でも、相対的なことは不完全なこととは全く異なるのだからそう不安に思うことはないのだよ。」

 あえて理論については語られませんでした。




 前髪が少し伸びてきました。今度星を眺めながら宇宙について思考を巡らせようと思います。数億光年にわたって銀河があまり存在しない領域を空洞を意味するボイドと呼ぶらしいのですが、それを知った時、宇宙を前にしてはこのたまごボーロとパイプラインパンチという組み合わせでさえ前衛的ではないんだろうなーということをぼんやりと考えていました。



 おやすみなさい。

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