第29話 蘇生
順序良く、山を二つに分けながら、昨日の狗飼研でのやり取りを思い出した。何故、亜鈴や鈴鳴を死から救える技術を広めないのか、と。
大きな理由は「周囲の人間が、該当の人物を殺害」するからである。
案外、復活したその人は矛盾に寄付が付かないものである。深い眠りから醒めるのと一緒だ。
だが、周囲はそれが耐えられない。100近く前にあった、「死者のログから生前の様子を再現する人工知能」などは、かなり矛盾があったと聞く。その当時の記録はほとんどが電子媒体で保存されていたため、ほぼ全てが失われている。カリナンの9番目なら知っているかもしれないが、わざわざ雑談をしに行くまでも無いだろう。
咏回路と肉を取り分ける。ユーイチが奏術を使ってくれたおかげでパズルのようになっていた。元に戻しやすい。終わりのない思考を一時中断してひすいは手先に集中した。
窓が無いから、正確な時間はわからない。それでも長くはかかっていなかっただろう。最後の仕上げで抜糸する。長身の男が目を覚ました。
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