5,謝罪

 次の日、雄介は再びゾイバー星のリンリンの所にやって来た。

 「リンリンさん、昨日はありがとうございました。それでゾイバー星の皆さんは他の星人とも友好的になれそうですか」

 「ああ、その点は問題無いようだ。問題なのは我々が友好的で有ることが、ギャラクシーユニオンに加盟している星々に理解してもらえるかどうかだ」


 「そうですね。ゾイバー星とギャラクシーユニオンの星々との関係からすると、なかなか理解してもらえないかも知れないですね。でもその点も含めてプレゼンテーションの内容の中に入れていきましょう。


 それでプレゼンテーションの方法なのですが、本来ですと何処かの星で総会を開き、そこに全会員の星の代表が集まって開催するのですが、ゾイバー星を元の状態に戻す為にあまり時間がありません。そこでモナム星に全会員の星を繋ぐ回線が有るので、その回線を使ってオンラインで総会を開催しようと考えています」


 「モナム星で。しかしモナム星とは以前色々と有ったぞ」

 「そうです。モナム星のプッペ議長にこの話をしたところ、良い返事は頂けませんでした。そこで先ずゾイバー星とリンリンさんが、以前とは変わりつつあることをプッペ議長に伝えて、そして以前のことを謝罪して頂きたいのです」


 「そうか、だが謝罪したところでプッペは我々を許してくれるのかな」

 「しかし、そこをなんとかクリアして行かないと次に進んで行けません。リンリンさん頑張って下さい。なんとしてでもゾイバー星の人々を救う為に、先ずプッペ議長に謝罪して許してもらいましょう。私も協力致します」


 「分かった。ではプッペに許してもらえるように頑張ってみよう」

 「リンリンさん、プッペ議長に謝罪するときにゾイバー星の人々のことを考えて、決して感情的に怒ったりしてはいけませんよ。何を言われたとしても怒ったりしては先に進むことができなくなってしまいます。お分かりですね。それと大切なのは心です。心から謝罪し、そして心からゾイバー星を救ってもらいたいと言う気持ちが大切です」


 「分かった、心だな。それにゾイバー星の皆のことを考えると些細なことで腹を立てていては、もうゾイバー星は無くなってしまうからな。その点も気を付けよう」

 「では、それと一緒にプレゼンテーションの内容も考えておいて下さい。プレゼンテーションでのポイントもお伝えしておきます」

 

 そう言って雄介は、リンリンにプレゼンのポイントを伝え、後日また来ることを約束して帰って行った。雄介は、地球に帰ると各国の代表に、ゾイバー星による地球侵略は完全に無くなったことを伝えた。すると世界中が喜びに沸き上がった。


 雄介はそれから数日経って、モナム星のプッペ議長に連絡を入れた。

 「プッペ議長、天野です」

 「雄介様、その後どうですかゾイバー星は、何か変化が有りましか」

 「はい、ゾイバー星のリンリンさんがプッペ議長に謝罪するそうです」

 「そうなんですか。あのリンリンがですか。私には信じられないですね。もしそれが本当だとしても、私はリンリンと話しなどしたくありません」


 「そうなんですね。分かりました。ではリンリンさんがプッペ議長やモナム星の方々への謝罪文を考えていると思いますので、これからリンリンさんの所に行ってそれを読んでもらいます。そのときリンリンさんには内緒で密かに回線をプッペ議長に繋ぎますので、その謝罪文を聞いて判断して下さい」

 

 「そうですか。わかりました」

 「ではプッペ議長、しばらくお待ちください」それから雄介は、直ぐにゾイバー星のリンリンの所に向かった。

 「リンリンさん、プッペ議長への謝罪文とプレゼンテーションの原稿はできましたか」

 

 「ああできたぞ」

 「では、先ずモナム星の皆さんとプッペ議長への謝罪文から読んで下さい」

 「そうか分かった」

 雄介はその時、密かに回線をプッペ議長に繋いだ。

 

 「モナム星のプッペさん。私はゾイバー星のリンリンです。お元気にされていますか。

 以前私達がモナム星に対して大変失礼なことをしてしまいました。これは謝っても許して頂けないこととは分っております。しかしこの度、地球の天野さんからプッペさんに謝罪しろと言われ本当に良かったです。天野さんから今回のチャンスを頂けなければ、私は一生プッペさんから恨まれていたことでしょう。


 いいえ、恨んで頂いてもかまいません。私から謝罪だけでもさせて頂けて良かったです。本当にあの時はごめんなさい。プッペさんに言った暴言の数々、そして失礼な行動をどうかお許し下さい。自分達の星に住むことができなくなったゾイバー星の者にとって、あんなに綺麗なモナム星が、私達にはうらやましくてたまらなかったのです。


 豊かな森の木々や花々、美しい海の水、そして限りなく透き通った空気、モナム星の全てが我々にはうらやましかったのです。またあんなに綺麗な星に住んでみたい。豊かな自然の中で幸せな生活を送りたい。そんな身勝手な思いがモナム星の人々を苦しめたのです。本当にごめんなさい。


 私達は気が付きました。幸せは人から奪っても自分達の幸せにはならない。誰かを苦しめてしまえば、それが何時かは自分達の不幸として帰ってくる。人に幸せを与えれば、それが何時かは自分達に幸せとして帰ってくる。そのことを天野さんから教わりました。ゾイバー星の者は、今まで悪いことばかりしてきた気がします。


 だから自分達の星も無くなり、もうすぐゾイバー星の全ての物が無くなりそうになっています。本当に申し訳なかった。プッペさん、そしてモナム星の皆さん本当にごめんなさい。私達は、心からあなた達の幸せとモナム星の発展をお祈り致します」

 リンリンの謝罪文は終わった。


 「以上だ。どうだった天野、これが俺たちのモナム星に対する今の本当の気持ちだ」リンリンがそう言った後、リンリンの謝罪を密かに聞いていたプッペ議長が言った。

 「おい、リンリン。プッペだ」

 「え、何故、何故プッペの声が聞えるんだ」

 

 「天野さんが、密かに回線を繋いでくれて、お前の謝罪の言葉を聞かせてくれたんだ。さっきの謝罪の言葉は本当なのか」

 「プッペさん。本当だ。あのときは本当に申し訳なかったと思っている。どんなに謝っても許してはもらえないかも知れないが謝らせてくれ。本当に申し訳ないことをした」


 「そうか、そこまでお前が変わったなんて信じられないが、その言葉を聞いて私も嬉しいよ。さっきの謝罪の言葉をモナム星の者にも伝えるよ」

 「ありがとう、プッペさん。今回天野さんに謝罪しろと言われて本当に良かった。胸の奥につかえていた物が取れた気がするよ」

 

 「それは私も同じだ。あのときのことをずっと恨んでいたが、もう水に流そう。人を恨んでいてはそれが何時かは自分に帰ってくるからな」

 「それはさっき俺が言った言葉だろう」

 「あはは、そうだったな。でもそう言うことだ」

 

 「プッペ議長、リンリンさん、本当に良かったです。お二人がお互いを認め合ったことは、これから先のギャラクシーユニオンにとって大きな収穫となることでしょう。本当に良かったです」

 「天野さん。ありがとうございました。私もプッペさんに許してもらえて本当に嬉しい。これからは本当に心を入れ替えて宇宙の愛と平和の為に貢献します」


 「リンリン、今の言葉を忘れるなよ」

 「分っていますよ、プッペさん」

 そしてリンリンのことを許したプッ議長は、モナム星の宇宙回線を使ってギャラクシーユニオンに加盟している星々を繋ぎ総会を開催することを了承したのだ。雄介は、直ぐにギャラクシーユニオン全会員に向けて連絡を入れた。1週間後にモナム星からの宇宙回線を使いオンラインでの総会を開催すると。


 雄介とリンリンはモナム星から総会をする為に二人でモナム星に向かうことにしたのだった。雄介がシップに乗ってゾイバー星の宇宙船の所にやって来た。

 

「リンリンさんお迎えに参りました」

 「天野さん、ありがとう。それでは宇宙船のハッチを開けるから入って来て下さい」


 雄介を乗せたシップが、リンリンが居る宇宙船に近づくとハッチが開いた。その中にシップが入りプラットフォームに着陸すると、そこには色々な種類の犬に似たゾイバー星人が待っていた。その中にリンリンの姿も有った。


 シップがハッチを開きステップを下ろすと、リンリンが一人でシップに入ってきた。リンリンは雄介が思っていたより小柄で、身長は150センチ程、二本足で歩き宇宙服のような物を着ていた。

 

 「天野さん。迎えに来てくれてありがとう。天野さんは背が高い方なのですね」

 リンリンはそう言って手を出し握手を求めた。リンリンの手は小さく指は四本で短く子供のような手だった。雄介はリンリンと握手をした。


 「リンリンさん、直接お会いできて嬉しいです。でもリンリンさんはもっと大きな方なのかと思っていました。映像だけでは分からないですね」

 「そうですか、私はゾイバー星人の中では小柄な方です。しかし天野さん、あなたは直接お会いすると実に私が飼っている魚にそっくりだ。誠に可愛い顔をしておられる」


 「そうですか。またその魚を見せて下さい」

 「分かりました。また機会があればお見せ致します」

 「ありがとうございます。では早速ですがモナム星に向けて出発致しましょう」

 そして二人を乗せたシップはモナム星を目指して出発した。シップは3日でモナム星の近くにやって来た。

 

 「リンリンさん、間もなくモナム星に到着です」

 「そうですね、こうしてモナム星を見ると実に美しい星ですね」

 シップの窓から見えるモナム星は、綺麗な緑色に輝き、透き通った空気がとても美しく見えた。


 「天野さん、実は以前のゾイバー星は、このモナム星に似ていたのです。緑が本当に豊かで空気も綺麗だったんです。モナム星を見るととても懐かしい思いがします」

 「だからモナム星に移住したかったのですか」

 「それも有るかも知れません。でも本当にモナム星の方には迷惑をお掛けしてしまいました。今は反省しております」

 

 「ところでリンリンさん、あなたはプッペ議長に直接お会いするのは初めてなのですか」

 「そうです。以前映像では話をしましたが、直接会うのは初めてです」

 「そうですか。それではそろそろモナム星に着陸します」


 するとシップは、野原のような所に着陸した。そしてシップはゆっくりと地下に沈むように入って行き、地下のプラットフォームに到着すると二人はシップを降りた。そこにはプッペ議長と数人のモナム星人が待っていた。

 

 「プッペ議長、お出迎えありがとうございます。リンリンさんをお連れ致しました」

 「リンリン。直接会うのは今回が初めてだな」

 「プッペさん、この度はありがとう。私達ゾイバー星の者の為にモナム星の宇宙回線を使わせてもらえるそうで、とても嬉しいです」


 「リンリン、私も君と仲良くなれて嬉しいよ。これからは仲良くやって行こう」プッペ議長はそう言ってリンリンの前にしっぽを差し出した。それを見て雄介がリンリンに小声で言った。

 「リンリンさん、ここの握手はしっぽなんです」

 そしてリンリンはプッペ議長のしっぽを握った。するとリンリンの顔が引きつった。


 「では早速ですが、総会会場に向かいましょう。そろそろ総会を開催する時間になります」プッペ議長はモナム星の中を移動するムーブの所へ二人を案内した。ムーブの所に行く途中にリンリンが雄介に小声で言った。

 「天野さん、プッペさんのしっぽは強烈ですね」

 「そのうちになれますよ」雄介も小声で答えた。


 三人がムーブに乗り込みドアが閉まると、プッペ議長が『総会会場』と言った。その次の瞬間ゆっくりとドアが開くと総会会場の前に三人は到着した。

 「さあ中に入りましょう」

 会場の中に入るとプッペ議長がコーヒーカップのような乗り物を指差した。

 「お二人は、これに乗って下さい。私は別のカップに乗ります」


 雄介とリンリンがカップに乗ると、カップは前に進み暗闇の中に入って行った。するとカップは総会会場の中の空間に浮いた。リンリンは総会会場の中の宇宙空間のような会場に驚いた。

 「おー、凄い」

 

 もうすでに目の前の空間には、多くの星の代表の顔が映し出されていた。すると画面中央にプッペ議長の顔が映し出された。

 「皆様お待たせいたしました。それではギャラクシーユニオン総会を開催いたします。まずギャラクシーユニオン総理事長の天野様よりご挨拶を頂きます」


 すると画面中央に雄介の顔が映った。

 「皆様、今回のギャラクシーユニオン総会は、オンラインでの開催となりました。今回急遽このような形での開催になりましたのは、いま私の隣におられますリンリンさんの星、ゾイバー星を救う為です」すると各星の代表者達がざわめきだした。


 「ゾイバー星だって」

 「あの星はもう滅んだんじゃないのか」

 「ゾイバー星の為に何をしようと言うんだ」

 雄介は、ゾイバー星の名前を出しただけで各星の代表者達がざわめくのを見て驚いた。


 『多くの星がゾイバー星の悪い評判を知っているんだ。これはそうとう大変かも知れないな』雄介は気を取り直して話した。

 「皆様は、ゾイバー星のことをご存じだと思います。ゾイバー星の星自体は現在住むことができない状態です。しかしゾイバー星の人々は宇宙船に乗り、この宇宙の中で生活されています。でもゾイバー星の人々は、もうあまり長くは持たない状態なのです。この宇宙の中で一つの星が滅んでしまうのはとても悲しいことです。


 我々ギャラクシーユニオンは、この宇宙の愛と平和を守って行く活動をしております。そこで今回ゾイバー星の為にギャラクシーユニオンができることは何なのか考えていきましょう。ではゾイバー星の代表をされているリンリンさんから皆様に、メッセージが有りますのでお聞き下さい」


 そして今度は、画面中央にリンリンの顔が映し出された。

 「皆様、私はゾイバー星の代表を務めておりますリンリンと言う者です。この度総理事長の天野様から、我がゾイバー星に対して救いの手を差し伸べて頂きました。


 ゾイバー星は我々の怠慢が原因で、我が星には住むことができなくなってしまいました。それ以来我々は宇宙の中を放浪し、移住できる星を探して回っていました。そして幾つかの星の皆様に対して移住させろと身勝手なことも言ってきました。その為皆様は我々ゾイバー星を嫌われていることでしょう。


 中でもモナム星の人々には大変なことをしていまいました。そのことを先日モナム星のプッペさんに心からお詫び致しまして許して頂きました。ご迷惑をお掛けした皆様にも、この場をお借り致しまして心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。


 我々ゾイバー星は、もう限界がきております。ゾイバー星の星自体も無くし、そしてもう直ぐゾイバー星の者も全員、この宇宙の中から無くなってしまいそうです。そんな折、総理事長の天野様から、もしゾイバー星が元の状態に戻り、また住めるようになるとしたら、ゾイバー星の者はどうしたいのか確認しろと言われました。


 そして私は全てのゾイバー星の者に確認致しました。すると全員が、もしゾイバー星が元のように住むことができるのなら自分達が生まれ、そして育った星に帰りたい。もう一度故郷の大地を踏みしめてみたい。家族と楽しく過ごした思い出のふる里にできるものなら帰りたいと言われました。


 その言葉を聞いて私も自分の胸の中にしまっていた、ふる里を思いだしました。私もふる里に帰りたい。父や母、そして兄弟と楽しく過ごしたふる里。幼い頃、友と遊んだ思い出のふる里。もう一度許されるものなら帰ってみたい。あの星に、あのふる里に帰りたい。そういう思いが胸の中に沸き上がってきたのです。


 しかし今では自分達の力でそれを叶えることはできません。それも皆様には自業自得だと言われるかも知れません。でも、もしチャンスを頂けるならもう一度ゾイバー星の者にチャンスを与えて下さい。皆様と同じようにゾイバー星の者にも家族が居て、そして大切にしなければならない思い出も有るのです。それをゾイバー星の代表をしている私には守ってやりたいのです。


 もし、もう一度チャンスを与えて頂けるのなら、もう二度と自分達の星を滅ぼしたりしない。他の星の人々を苦しめたりしない。これからは宇宙の愛と平和の為に貢献したい。そんな思いでいっぱいなのです。


 どうか皆様、我々ソイバーをお許し下さい。そして我がゾイバー星をお救い下さい。どうか皆様、宜しくお願い致します」リンリンの目には涙が溢れていた。リンリンは泣きながらメッセージを伝えた。そして深々と頭を下げた。画面の中央にプッペ議長の顔が映った。


 「皆様、ゾイバー星を救う為には、ギャラクシーユニオンの力が必要です。もし皆様がゾイバー星のギャラクシーユニオン加入を認められるのであれば、ギャラクシーユニオンの力でゾイバー星を救うことができます。皆様の採決を頂きます。ゾイバー星のギャラクシーユニオン加入に賛成の方は、赤色のスイッチを押して下さい。反対の方は青色のスイッチを押して下さい」


 すると各星の代表の顔が映っている映像の枠が、段々と赤色に灯りだした。悩んでいる星の代表も居るようで中々色が付かない枠も有った。一旦青色が点灯し赤色に変える星の代表も居た。しかし最終的には全代表の枠が赤色で囲まれた。


 「皆様、全員一致でゾイバー星のギャラクシーユニオン加入が認められました。それでは天野総理事長お言葉をお願い致します」

 すると画面の中央に雄介の顔が映った。


 「皆様、ありがとうございます。ゾイバー星のギャラクシーユニオン加入に悩まれた星の方もおられるようですが、皆様は正しい判断をなさいました。この宇宙から無くなろうとしている星を救うことは、ギャラクシーユニオンの会員にとって自分達の星を救うのと同じなのです。その皆様の温かい心が、この宇宙全体の愛と平和を守るのです。本当にありがとうございました」


 すると再び画面中央にプッペ議長の顔が映し出された。

 「では皆様、ここで前総理事長のアロン様からお話しがあります」すると今度は、アロンの顔が映し出された。


 「皆様、こんにちは。アンドロメダ星のアロンです。この度、天野総理事長よりゾイバー星のことを聞きまして、正直私もびっくり致しました。あのゾイバー星のリンリンさんが変わることなど有り得ないと思っていました。


 しかし先ほどのリンリンさんのメッセージを聞きまして納得致しました。やはり天野総理事長は素晴らしい方だと。あのリンリンさんをここまで変えることができるのは、さすが我々ギャラクシーユニオンの総理事長を務めて下さっている方だから、できたことだと思いました。


 皆様、我々ギャラクシーユニオンの天野総理事長の為にも、全星が力を合わせてゾイバー星を救おうではありませんか。もし、お許しが頂けるのであれば、我がアンドロメダ星が先頭に立ってゾイバー星の再生に尽力致します。そして皆様のご協力も当然必要となりますので宜しくお願い致します。


 我がアンドロメダ星が指揮を執ることを認めて頂き、そしてゾイバー星の再生にご協力を頂ける方は赤色のスイッチを押して下さい」すると各星の代表者の顔が映った枠が、今度は一斉に赤色に点灯した。


 「皆様ありがとうございます。それでは我がアンドロメダ星が中心となってゾイバー星を再生させて参ります。皆様ご協力を宜しくお願い致します」すると一斉に歓声が沸き上がった。そして再び画面中央に雄介が映った。

 

 「アロン、そして各星の皆様、本当にありがとうございます。皆様の気持ちが一つになり、そして一つの星の命が救われようとしています。これは本当に嬉しいことです。いま私の隣にいるリンリンさんは泣いておられます。一言お言葉をお願い致します」するとリンリンの子供のように泣きじゃくる顔が画面に映った。


 「皆様、皆様、本当にありがとうございます。もう言葉か有りません。私は心から嬉しくて、嬉しくてたまりません。これからは私達ゾイバー星の者もギャラクシーユニオンの皆様の、お役に立てますよう精進して参ります。本当にありがとうございます」

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