俺のツンデレメイド様は恋なんてしません!(してる?)
田村氏
俺のツンデレメイド様は恋なんてしません!
皆様は"ツンデレメイド"なるものを知っているだろうか? そう。ツンデレメイドである。
決してアキバなどでにゃんにゃんしているメイドとは違う、清楚なやつである。ご理解いただけたであろうか? では、ぜひ想像してみてほしい。
もし、ツンデレメイドが家に来たら? とね。
あ、卑猥な妄想したやつは帰ってくれ。話にならん。メイドだぞ? 従者だぞ? 本当にそんなことができるのか?弁えろ。立派なセクハラだぞ。
まあいい。話を変えよう。何故俺はこんな話をしていると思う? 妄想を拗らせている訳じゃないぞ。全く、こんな事も分からないのか? 男心がわからん連中だ。正解はな?
い る ん だ よ! ツンデレメイドが!!
どうなってんだよ! ドウナッテンダヨ!
そう。という訳で皆様に問いたい。
ツンデレメイドが家に来たらどうしたらいい?
話は、ほんの3日前まで遡る……
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「海外に行くことになった。」
家でまったりしている時に、ふと言われた一言だった。
もちろん、そんな事を予想すらしていなかった俺は、
「え? 俺も?」
という、なんの捻りもない一言。ここまでは良かったと思ってる。ただ、この後に続く会話が問題だった。
「いや? お前は留守番だ。」
「は?」
嘘だろこの親? 子供を置いて海外に行くなんて事があり得るのか?
「3年ほど、仕事でインド行くことになったから。インドと日本、どっちがいい?」
うわー、微妙な2択。もっとアメリカとか行けよ…キャリアマンだろ?
「あ、ちなみにインドは日本より同人誌の規制が厳しいぞ。」
「日本残りま〜す!! やっぱり日本は最高だぜぇ!!」
やってられるか! 同人誌のない日常なんて! ところでなんで親父は俺が持ってるの知ってるんですかねぇ⁈
「んでまぁ、母さんも付いてくるから。お前1人な。」
「そうかそうか、つまり父さんは俺のことを殺そうとしてるんだな。」
当たり前だろ。今まで家事の手伝いすらまともにしてないガキが3年間一人暮らし? 死にますわそんなん。
「そういうと思ってな? 父さんお前に最後のプレゼントを用意したんだ。」
「何死ぬの? 俺も父さんも死ぬの? 今年の誕プレもらってないんだけど?」
「おーい、入っておいでー」
なんだこいつは、ペットでも買ってきたんか?
「し、失礼します。」
こ、こいつは……
「ふ、ふん。久しぶりね。」
「お前かよぉぉ!!」
まさかの人⁉︎ 人の事をプレゼント呼ばわりするとかこいつ人間じゃねえな!!
「お、お前かよって、、、なによ、私じゃ不満なの?」
「いえ、そんな事はありません。(キリッ)」
「まあそんな訳で、これから3年、2人で頑張ってな!」
俺は今まで自分が優しい人間だと自負して生きてきた。だが、今この瞬間自分が優しくある必要があるとは到底思えなかった。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
だから、こんな言葉が出たんだと思う。
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「で、これからどうするのよ?」
あの馬鹿が家を出ていって初日。お前こと麗花
はリビングで俺に問うた。
「何ってそりゃ、メイドだろ? メイド服着てたんだから。」
「あ、あれは、!叔父さんに着ろって言われたから、、!」
やってんなあのエロ親父。自分の父親がメイドフェチとか聞きたくなかったわ。
「んで?じゃあ今も着てる理由は? まさか、親父に全部服持ってかれたとかないよな?」
「そ、そんな訳ないじゃない…⁉︎ ただ、自分の服が汚れたら嫌なだけよ!」
ツンツンしてんなぁ。見ろよ? これが俺の幼馴染だぜ? 羨ましかろ?
「キモッ。にやにやしながらこっち見ないでよ。」
「え? にゃんにゃんするからこっち見て? おいおい、何する気だよ(キリッ)もっとそういうのは親密度をあげてから––––」
そう嘯く俺が最後に聞いた言葉は
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
と言う雄叫びとアッパーカットだった。
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親父が家を出てから3日目。俺は今までずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「なぁ、お前帰んないの?」
俺が使ってた寝室は麗花によってすでに占拠されており、今はベッドがわりに床で寝ている。
「………別にあんたが気にすることじゃないでしょうに……。」
いや気にするが? というかそもそもなんでこいついるんだ? 一応メイドなんだよな? 別にメイドなのはまだいいんだが、なんで俺の家で寝てるの? 同棲? 人生初の同棲?
「うちも親が海外にいっちゃったのよ。だったら2人で住まわせた方が安全だ、ってあなたのお父さんが言うから…………」
ナイス親父!! ……………じゃねえよ!! 何してくれてんだよ! 高校生2人(しかも男女)が一つ屋根の下に住んで安全? んなわけあるかよ!
ンナワケアルカヨ! 確かに、確かにな! 飯は美味いし掃除も得意だし、こいつ以上にメイドとしてふさわしい人物はいないと思う。そうか、ならいいのか。俺が何もしなければ良いだけだな。うん。
「とりあえず、今の発言であんたが私の事どんな目で見てるかははっきりわかったから、その思考と嗜好おさめてくれない? 不快だわ。」
そして俺は死んだ。そして、話は最初まで戻る。
俺のツンデレメイド様は恋なんてしません!(してる?) 田村氏 @tamutamut
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