冴えない高校生活を送っている俺が、朝、ベッドにいた爆乳美少女と同居する事になったんだが⁉
譲羽唯月
第1話 朝起きたら下着姿の爆乳美少女が隣にいたのだが⁉
「んー……」
準は瞼をゆっくりと開け、仰向けのままで両手を頭の方へ向けて背伸びをする。
横を見やると、カーテンの隙間から部屋に差し込んでくる朝日が、ちょっとだけ眩しく感じた。
新しい朝は毎日始まるが、高校二年生の準にとっての春は、今のところ迎えられそうもなかった。
準はショートな黒髪を触りながら、ため息をつく。
高校デビューを期待して、輝かしい青春を想像していた、あの頃。
中学の頃は全然ダメだったが、高校生になったら絶対にと意気込んでいたものの、現実は絶望的。
高校に入学したての頃は、冴えない自分を変えようとクラスメイトの女子に積極的に話しかけてみたり。部活に所属して陽キャになろうとした時もあった。
服装に関しても、中学の頃は読む事も無かったファッション系の雑誌を購入し、鏡の前で見よう見まねでコーデする事もあったのだ。
しかし、結果として全敗。
恋人どころか、女子とのフラグすらも立たなかった。
「はあぁ……人はそう簡単には変われない、か……」
準はため息交じりの声を出し、上体を起こす。
高校二年生になった今、何も変わっていなかった。
恋人が出来ていないまま、寂しい高校生活を送る日々。
今日もまた、いつも通りにモテない日常が始まるだけである。
学校に通うのが少し億劫だった。
ベッドから降りようと、シーツに手を向かわせた時。
違和感を覚えた。
ん?
何か……手が、妙に柔らかい感触に包まれている気が?
「ん、何だこれ……?」
シーツをまさぐる手に、フワッとした感触が伝わってくる。
準は疑問に感じ、シーツをどかしてみた。
すると――
「え⁉」
そこには可愛らしい女の子が横になって寝ていたのだ。
茶髪のセミロング系の女の子。
見た目的には、準と大体同じくらいの年齢だろうか。
普通に可愛らしい外見をしている。
そこに仰向けになって休んでいる彼女をよくよく見やると、爆乳だった。
しかも、上半身はピンク色のブラジャー姿で、普通に谷間も見えている。
下半身の方はブラジャーと同じ柄のパンツだけ。
それにしても露出度が高すぎると思う。
しかも、さっきまで手で触っていた柔らかいモノの正体は、彼女のおっぱいだったらしい。
お、俺……こ、この子のおっぱいを触っていたんだよな。
というか、それどころじゃないだろッ!
えっと……なになに⁉ というか、冷静に考えて、これ絶対におかしいだろ⁉
いや、俺の方がおかしいのか⁉
そ、そんなわけ――
準はその子の姿を見、心臓をバクバクとさせ、頭の中は混乱状態。
準は自身の右手を見たり、先ほどの感触を思い出しながら赤面していた。
漫画とかでは、あり得そうなシチュエーションではあるが、現実でこんなことが起きるものかと、準は困惑していた。
準は試しに自身の頬をつねってみるが、普通に痛い。
こ、これは本当だ。
当の彼女は何も気にすることなく、すやすやと休んでいた。
シーツの中にいるとか、どんだけ寝相が悪いんだよ……って、そうじゃないだろ!
と、準は心の中で自分にツッコみを入れていた。
嬉しいような、よくわからないような。むしろ、いきなり、どこの誰なのかわからない子が、隣で寝ていた事に若干の怖さを感じていた。
でも、同時にエロさも感じていたのだ。
「……んッ、ん~……?」
準が慌てていると、その瞬間に女の子が目を覚ました。
長い睫毛がパチパチっと動いて、仰向けで横になっている彼女のキラキラした瞳が、準の事を捉える。
ニコッとした無邪気な笑顔を見せる、エッチな格好をした女の子。
「おはよー、準!」
「え、え、な、なんで俺の名前を⁉ というか、君は誰⁉」
驚き声の準に対し、優しい表情で笑みを浮かべる、仰向けになっていた彼女は上体を起こす。
その動きで、フワッと揺れる、爆乳。
アニメでしか再現されないような、動きを間近で見、興奮してしまう。
視界に入ってしまうと、朝から嫌らしい気分になる。
もうすでに、準の下半身は、朝という事もあって色々と問題が生じていたのだ。
「え、えっと、ごめん。俺さ。別に触るつもりじゃなくて。あれは事故というか、間違ったというか、勘違いみたいな感じで」
準は咄嗟に謝るが、目の前にいる彼女は何のことかといった感じに、キョトンとした顔を見せていた。
「……ん? 何がかなぁ? あ、そういうこと? 別に気にしなくてもいいよ。じゃあさ、ほら、こうやって上げるね。こうしてほしかったとか?」
突然、彼女がガバッと抱きついてきたのだ。
柔らかい感触が、準の胸にダイレクトアタックする。
急展開に、準の脳内はバグり始めていた。
これ以上はヤバすぎる。
「ちょ、ちょっと離れて。離れてくれ」
「えー、いいじゃん。久しぶりの再会なんだし?」
「さ、再開⁉ いや、俺、君の事なんて知らないんだけど」
準はそういうが、彼女の方はニヤリと笑い、抱きついたまま耳元で囁く。
「ふふ、準って忘れちゃったの? 私、悠だよ。
「悠……いや、覚えがないんだけど」
思い出そうとするが、全く思い出せない。
それどころか、胸元にブラジャー越しに当たっている爆乳の感触が凄すぎて、それどころではなかった。
「えー、ショックなんだけど。まあ、いいや、実はね、ちょっとした事情で、しばらく、ここの家に住む事になったから。準、よろしくね」
「は⁉ す、住む⁉ な、なんで⁉」
準は素っ頓狂な声を出す。
「親同士が仲良しじゃん。というか、私の家と準の家ってさ、昔から家族ぐるみで付き合いがあったでしょ」
「え?」
「あったの。準は忘れているかもしれないけどね」
本当に全然わからない。
そんな中、悠は悪戯っぽく笑い、抱きついたまま準の頭をポンポンと軽く触るように叩いていた。
「こ、子供扱いしないでくれ」
「えー、私、年上だし。別にいいじゃん。それに昔は、撫でてほしいって懇願してたじゃん? あの頃の準とは違う感じ?」
「は? い、意味が分からないんだが、そんなこと言った覚えもないし、君と昔関わった事が無いし……というか、急にこんな事をされるのは困るからッ!」
準は強引に彼女から離れる事に成功した。
「でも、まあ、これからよろしくね。準」
準は彼女の事を知らない。
だが、平凡でモテない高校生活は、突然の美少女との同居生活で一変したのだった。
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