munikisu

第1話

 汗も涙も音のない雨粒もぐちゃぐちゃに交ざりお下がりの長靴に詰まっていく。込み上げる不快感に自責を覆って、おぶられたリーサが文句を鳴らす私の荷物を叱責した。家出先は決まってる。教えてくれた洞穴だ。

ほら、見えてきた!もう安全ね!!


 雨降りの陰うつな朝を迎えリーサは私に洞穴の秘密を暴いて見せてとせがんだ。朝食のチョコチップ入りクッキーをひとりで食べ終えてしまった私は罪悪感から従う。そのためにカエルも住めない湿度の奥を進むことにした。

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