ゆめうつつ

メランコリック

罪意識

前世で死ぬ前に血で口を濯いだのでしょう。

おかげで私は一度死んでこの世に引き上げられた。産まれる前に、口内の血の味でうげっとなり世界のやるせなを思い出した。そうして一度は呼吸を放棄したらしい。

でもどうやら認識より医療技術は発達していたようで、私は魚の様に引き揚げられました。

要するに何よりも先ず自殺した輩が何の間違いか此岸に這い出て今の私がある。

上手く生きられねぇ筈だ。

両親含め周囲の人々もそして恐らく天地も当時の一度目の自殺未遂を責めはしなかった。

しかし私には未だに聞こえる。私を血で洗った人の声が。それは遥かに昔自殺した私自身なのかもしれない。

俺は俺自身を殺さない限りいつまで経っても忌み子。穢れと罪と十字架が背後に貼り付いた罪人。


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