とある魔王が歴史に名を刻むまで

マラカス

プロローグ

どうやら俺は魔王に転生してしまったらしい

目を開けると真っ赤な天井が広がっていた 悪趣味だ

夢だろうと思い再び目をつむる。目を開けるといつものように真っ白な天井が広がっているはずだが、やはり赤い天井だ。辺りを見回すと全く知らない部屋が広がっていた。

(は?なんかのどっきりか?それにしても手凝りすぎだろ)

ちょうど横に置いてあった鏡を見ると俺の全くっ知らない顔が目に飛び込んだ。

すらりとした体形で、若干つり目気味の目。真黒な髪、そしてとんでもなく美形な少年が目に飛び込んだ。プラスでつのもはえている。

(俺は、そこらへんにいるおっさんだったはずなのに、どういうことなんだ)

「シュライン様、朝でございます」

銀髪イケメンが部屋に入ってきた。こいつは翼が生えている。

「お、おう。ところで誰だ?」

「は?なんとおっしゃりました?」

「ちと、記憶をなくしてしまってな」


・・・・・


この銀髪イケメン君はクライスというらしい。なんでも魔王の右腕なんだとか

そしてその魔王が俺シュラインだというのだ。

どうやら俺は魔王に転生してしまったらしい。


俺らがいるのは亜人の都市ダイアナ。俺らはヴァンパイアや鬼、雪女やハーピィといった、魔物と人間の中立の種族亜人だちなみに俺は魔神族だ。この世界には亜人と人間、そして魔物がおり亜人は魔物と同列に扱われひどい迫害を受けているらしい。俺は亜人の王だから魔王というわけだ。体裁上は亜人の王だが、もう亜人からも人間からも魔王という呼び方が定着してしまっているので、魔王ということでよいだろう。つい先月父親が亡くなり俺は15歳という若さで魔王の座に就いたらしい。亜人は魔物と違い人間レベルの知能を持っているし、攻撃的でもないが角やら羽やらがついていることで、人間からは畏怖の対象として見られ、忌、嫌われている。


最近では、亜人の翼などが高値で売れるからと亜人狩りなども行われているらしい。

これでは俺ら亜人が魔物なのではなく、人間が魔物のようだ。


我が家は代々亜人の王としていて君臨してきて様々な方法で人間と友好的にかかわろうとしてきたが、全然実を結ばず。今も一応亜人狩りは法律上禁止になっているはずだが、国もそれを黙認してしまっているのが現状だ。


こんな状況を打破するべく、会議が今から開かれる。



・・・・・・・・・

会議


見事に意見が二つに割れていた

「もう人間は許せん徹底的に戦いあらがうべきだ!」


「先代たちがなそうとしてきたことを忘れてはいけない友好的にするべきだ」


正直戦うのは嫌だ。亜人が全滅するのは目に見えている。まず人口が違いすぎるのだ

かといってこのまま黙ってみているわけにもいかない。

さて、どーしたものか


「いいことを思いつきました!」

クライスが何か思いついたらしい。

「われら亜人の力を人間に示してやればよいのです!」


「どうやって?」


「シュライン様に、人間の中で特に優秀なものが集まる学園 王立魔法学院で圧倒的な成績を収めてもらうのです!

 シュライン様が不在の間は私がこの国を管理します」


「なるほど」

「それだったら、、、」


みんなの期待のまなざしが俺にむく

(もう断れる空気じゃねーよこれ)

「うむ、俺に任せるがよい」


「では、魔王様が王立魔法学院に入学できるように取り計らっておきます」

(まってくれ。クライス。俺にはまだ心の準備が、、、)



・・・・・・・


結局、俺は人間の国の王立魔法学園の入学試験を受けることになった。魔王だといえど、入学試験で合格しないと王立魔法学園には入学できないらしい。

今日は俺を見送る会だ。次々に人が期待の言葉を俺に投げかけてくる。

(まだ俺入学試験すら受かってないんだけどな、、)

みんな俺が受かる前提だ俺が転生する前の俺は人望が厚かったらしい


「人間にぎゃふんといわせてやってください」

「シュライン様だったら成し遂げられることを信じておりますぞ」



お見送り会も終盤に差し掛かったころに

老人が1人の少女を連れてきた

赤髪ロングが特徴の、美少女だ

「こちらはアイビーといいます。サラマンダー族のメイド兼ボディーガードです」

護衛されるほど弱くはないがメイドがつくのはありがたいな


「よろしくねシュライン」

(なれなれしくないか?一応魔王だぞ俺)


「少し、アイビーと二人で話したい。アイビーついてこい」


ベランダへ出る


「俺、君と会ったことあったっけ?」

この世界に転生してから約一週間だいぶ慣れてきたがまだ知らないことばかりだ。

アイビーは偉い人の子息なのか?


「え~~、忘れちゃったの!?昔よく一緒に遊んでたじゃん!」


どうやらアイビーは俺の幼馴染らしい。

記憶がないことをアイビーに説明する






「シュラインも大変だったんだね~」


「まあな、もう一つ聞きたいことがあるんだが、本当に俺についてくるのか?行くのは人間の町俺らは絶対悪い待遇を受けるぞ?」


「そんなことはわかってるよ。でもそれはシュラインも同じでしょ?シュラインだけ惨めな気持ちにさせるわけにはいかないしね」


(決意は固いようだな)


「じゃあ、よろしく頼む。」



部屋に戻るとラストに差し掛かっていた


「それでは最後にシュライン様からひと言お願いします」


(急だな、、、)


「俺は必ず亜人差別をなくしてくる!だからそれまで待っていてくれ」



そうして、俺のお見送り会は幕を閉じた。


(明日は人間の都市へ行くのか不安だな、、、)

そんな思いを胸に目を閉じるのだった




~~~~~~~~~~~~~筆者から~~~~~~~~~~~~

小説書き始めたばかりでつたないところもあるかもしれませんが応援してくれると嬉しいです。

不定期連載になると思いますが次の話も読んでいただけると幸いです



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