学園青春ラブコメ(仮)

助部紫葉

1日目(40)




本日は高等部への入学式だ。


遂に俺も高等部か。


高等部って言うとなんかちょっとだけ大人になったなった気がする。


どんな出会いが待っているのか期待に胸を膨らませる。


楽しい学園生活になればいいなって思う。


いっぱい友達使ってみんなで賑やかに楽しくすごしたい。


彼女なんかも出来たらいいなって思う。


うむ。女の子の友達いっぱい欲しいね。


さてと。


俺のクラスはD組か。


まあ、それは予め知っていたことではあるんだけど。


俺の席は⋯⋯真ん中ら辺の後ろから2番目。


なかなか悪くないんじゃない?


さて隣の席の子はどんな子かな。



「初めまして!私は原田香織!」


「これはどうも初めまして。俺は茂木もてぎ士道しどう


「茂木くんだね!これからよろしくね!」


「うん。よろしく」



隣の席の子と挨拶を交わす。


黒髪ロングの美少女。表情は明るく笑顔が可愛い。


これはなかなか当たりの席だったのでは?


入学初日からこんな可愛い子とお近付きになれるとは、なかなか好スタートの予感。



「茂木くんはどこ出身?」


「俺は内部進学だから、ここが地元だよ」


「そうなんだ!私はね。地方出身なんだ」


「へー、原田さんは地方から来たんだ。なんでわざわざこっちに進学したの?」


「私ね。みんなの役に立ちたいなって思ってね!中央の方がみんなの役に立てる事が多いでしょ?」


「それはそうかもだけど。それなら地方に居たって大差ないとも思うけど」


「そうだけど。中央の方が回数は多いと思うんだよね」


「まあ、そりゃ地方に比べたら中央の方が回数は多いかな?」


「でしょ?だからね。私は中央で頑張りたいなって、そう思ったからこっちに進学したんだ!」


「そっか。原田さんは物好きだね」


「むっー!物好きって失礼だなぁ」


「あっ、ごめんごめん。バカにしてるとかそういう訳じゃないんだ。進んで中央に来る原田さんは立派だなって思ったんだ」


「⋯⋯そう?私、立派かな?」


「そうそう。原田さんは立派。純粋に凄いなって思ったんだ。俺はさ。あんまり好きじゃないから。自分から進んで中央に来た原田さんは尊敬するよ。なんか輝いて見える」


「そっかな?えへへっ」



そう言って原田さんは照れたように笑う。


自ら進んで中央に進学してきた原田さんは本当に立派だ。


逆に俺は地方の方に進学したかったし。


そんなことは許されるワケなかったから俺はここに居るわけだけど。


まあ、仕方ないことだし、なるようにしかならないだろう。



「そうだ!私ね。高等部に進学したら部活始めたいと思ってたの!」


「そうなんだ。なんの部活に入るの?」


「折角だから入るんじゃなくて新しく部活を作りたいの!」


「ほー。なかなかアグレッシブだね」


「いいと思う?」


「いいんじゃない?」


「本当に?」


「本当、本当」


「よし!それならここで隣の席になったのも何かの縁!茂木くんも私と一緒に部活作ろ!」


「うーん。それはなんの部活を作るかにもよるかなぁ。どんな部活を作るつもりなの?」


「まだ何も決まってない!」


「驚きの見切り発車」


「でも何かはしたいなって!」


「確かにそういうのはあるよね」


「よかったら私と一緒に探そ?」


「うん。いいよ」



原田さんの提案を受けることにした。


折角だしね。そういやって1から何かを作っていくのはワクワクするよね。


これから楽しくなりそうな予感がする。


それから何がいいかなと原田さんと話し合う。


楽しいひと時だった。


そんな一時はあっという間に過ぎ去って行き、そろそろ入学式が始まるであろうタイミング。




カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!



警鐘が鳴った。





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