イケメン転校生が私を離してくれません!!

笑_wara

第1話 初めましてと彼岸花

9月のはじめ、○○高校2年5組に転校生が来た

「転校生を紹介します。どうぞ。」

「皆さん初めまして。石澤昭人と言います。よろしくお願いします。」

身長は180いくかいかないかぐらい。すらっとした体に茶色っぽい髪。整った顔に落ち着く声。

私たちに綺麗に微笑んだ。

男子の反応は身長高ぇな。とかモテそう、とか。

女子の反応はえかっこよくない!?とか、肌綺麗すぎ!!とかとても好印象だ。


「じゃあ席はー、九条の後ろな」

げっ。私の後ろかよ。窓側の1番後ろの席であることを初めて憎んだ。私が人見知りなだけだけど。


朝のホームルームの後、先生に呼ばれた。

「九条、転校生に学校のこと色々教えてやってくれないか?席も前後だし」

「えー私がですかー?、」

正直やりたくない。

「だってお前しっかりしてるだろ?」

「しっかりしてる」、か、

、、別に嬉しくないよ?嬉しくないけどやっぱりやってもいいかも

「了解です」

、、私はチョロイと思う



「えっと、九条さん、だよね」

でたな転校生。

「はい」

「藤宮先生(担任)に体育館とか理科室の場所教えてくださいって聞いたら九条さんに聞いてって言われたんだけど教えてくれないかな」

「うん、私も先生に学校のこと石澤くんに教えてあげてって言われたよ」

「今日は移動教室ないから放課後校舎案内するね」

「ありがとう九条さん」

とりあえず会話はできた。

人見知りは激しい方だが何故か話しやすい

イケメンパワーだったりするのかな?

まあいいか。




「ーーにーーがあって」

「ーーーを行くとーーーに行ける」

「ーーはどこ?」

「えっとね、ーーー」



「ありがとう。助かったよ九条さん」

この人笑顔が綺麗だな

「ううん、困ったことがあったら聞いてね

じゃ、また明日」

「九条さん」

「ん?」

「帰る方向どっち?」

「え、○○小学校の方だけど」

「同じだ、一緒に帰ってもいいかな」

「え」

知り合って一日で一緒に帰るっけ普通

顔面偏差値の高さとコミュ力の高さはセットなのか?

「ちょっと私寄るとこあって、、」

「そっか、」

彼の残念そうな顔を見てなぜかとっさに

「い、いよ!一緒に帰ろう」

と言ってしまった

「ほんと?やった」

嬉しそうな笑顔が向日葵みたいでとても綺麗だった



15分ぐらい2人で歩いて、私の家に着いた。

「じゃ、またね」

と彼が言う

「うん、ばいばい」

と私は言って玄関のドアを開けた。


帰り道話したことはお互いの好きなものとか嫌いなものとか趣味とかで軽い自己紹介みたいな感じだった。

彼の好きなものは白いサクラソウ

理由は自分だからとか意味わからないことを言っていた。

嫌いなものはピーマンで、聞いた時はふふっと少し笑ってしまった。

彼は咲いている彼岸花を見て「秋だなあ」って言っていた。彼岸花で秋を感じる人は初めて見た。

花が好きなんだろうか



今日の出来事をインフルエンザでお休み中の親友であるなぎさに電話で話した。

「えーー?知り合って初日で一緒に帰ろうとか言うかー??」

「ね笑、私も思ったよ」

「てか、インフル大丈夫?」

「もう昨日から咳とかはないんだよね〜

明日から学校行けます!」

「なら良かった」

それから1時間ぐらい話して今日は寝た



次の日の朝、登校するとインフルエンザから復帰した親友が教室にいた。

「あ!!ここなー!!おはよう!復活したよん」

「おはようなぎさ(笑)元気そうでよかった」

「転校生どれ?!」

「まだ来てないよ」

「なーんだ」

口をとんがらせた彼女を見て私はふっと笑った


「、、あ!」

教室のドアが開く音がした

「あれが転校生!?」

「ああ、うん」

「ほえーーかっこいいじゃん!!」

教室に入った彼は私の方に向かって来て

「おはよう九条さん」

と微笑んだ

まさか挨拶されると思ってもいなかったので

「お、お、おおはよう」

と言ってしまいなぎさが吹き出した。

周りの女子数名がこちらを見てザワザワしている

「転校生、教室来てまっすぐここなの方来たね」

「うっさい。他の人にも挨拶してるし」

ニヤニヤしながら言うなぎさの肩を軽く叩いた


「お!昭人おはよー!」

「昭人おっす」

昨日彼と話したのはもちろん私だけじゃなくて、男子も数名石澤くんと仲良くなっていた。

何の話をしているのかは分からないが朝から爆笑していてうるさい。

石澤くんは

「ははは(笑)」

って笑っていてほかの男子よりも控えめ。

だからなおさら女子から好印象である。


ひとつ気づいたことは石澤くんは授業中結構話しかけてくること。

シャーペンで肩をつついて

「九条さん修正テープ貸してくれない?」

とか

「あそこなんて書いてある?」

とか。

数学の授業中に

「九条さん九条さん、先生の顔みて」

「え?」

「鼻にチョークついてるよ」

と言われた時は思わず吹き出してしまって先生に怒られた。

「最悪。石澤くんのせいで怒られたんだけど」

「ごめんごめん(笑)」

それを見て笑う彼の笑顔がやっぱり向日葵みたいであっさり許してしまった。




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