筋肉と神経
二日に一度はジムに通い、自宅でもトレーニングを欠かさないM曹氏はこう言った。
「俺は、筋肉質だ。やはり男たるもの、筋肉を鍛えなければならん。無駄な脂肪は可能な限り削ぎ落とし、体を筋肉のみにするのだ。マッスル、ネバービトレイ!」
しかし、デスクワークの日々を送るメガネのN部氏はこう言う。
「私は、神経質だとよく言われます。皆が気にもしない細部のことまで徹底的に考え抜き、あらゆるリスクを洗い出して最大限に警戒する。こうすることで、脳を含む中枢神経を鍛えているのです。筋肉を動かしているのは神経なので、神経の方を鍛えるべきだと思うわけです」
ちなみに、筋肉質のM曹氏と神経質のN部氏は仲が悪い。
「なにおう、筋肉だ」
「いいえ、神経です」
「筋肉質だ!」
「神経質です!」
そこへ、ちょっぴりふくよかな第三者のP天院氏が現れてこう言った。
「ボクたちみんな、たんぱく質だ!」
こうして、その場は丸く収まったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます