お日さま、お月さま、お星さま

　あーちゃんは考えます。

　お日さまは毎日大変だなって。

　なぜって？

　だってお日さまは毎朝高い山を駆け上って来なければならないのですから。

　そして山のてっぺんにたどり着くと今度は、どんどんどんどん頭の上の空を横切ってかけていきます。

　そうして息をはずませながら、やっと広い大きな海にたどり着来ます。

　だからお日さまが海の向こうでみんなにサヨナラをするときには、あんなに赤い顔をしているのだろうなって。

　あーちゃんは考えます。

　お月さまは気分屋さんだなって。

　なぜって？

　だってお月さまは顔が替わるのですから。

　ほっぺをふくらませたまあるい顔で笑っていたり、口をとがらせて細い顔ですねていたりしますし。

　時にはお星さまは出てきているのに、お月さまは出て来なかったりもします。

　怠けているのかな？

　でも、もしかしたらお月さまは病気なのかもしれません。

　だっていつも青白くて寂しそうな顔をしているのですから。

　あーちゃんは考えます。

　お星さまはおしゃべりさんだなって。

　なぜって？

　お星さまたちを見上げていると、いつもお口を動かして動かしているから。

　だからお顔がチカチカして見えるのだろうなって。

　ただずいぶんと遠くに離れているので、お星さまの声が聞こえないのだろうな。

　だからもしお星さまの近くに行くと、たくさんのおしゃべりが聞こえきて、とてもにぎやかだろうなって。

　だって、あんなにたくさんのお星さまがチカチカとおしゃべりをしているのですから。

　お星さまがどんなお話をしているのか聞いてみたいなって、あーちゃんは思います。

　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　おしまい