第14話


かなこは本当にわかりやすい人だった。


誕生日でもないのになぜか私の“好きなもの”を買ってきてくれたり


一日に届く連絡の数が驚くほど増えたり。


(ああ、わかりやすいな...)



心のどこかでそう思いながらも私は彼女に聞いてみた。



「最近好きな人とはどうなの?^^」



すると待ってましたと言わんばかりの笑顔でかなこは答えた。



「実はね〜、プレゼントもらったの!

しかもね?『結婚したいから待ってて』って言われちゃった〜!もう最高!早くしたい!」



それを聞いて私は自然に言葉を返した。



「そっか、よかったね。……で、彼女とはどうなんだって?」



かなこは笑いながらこう言った。



「完全に嫌いみたいよ!私といるときはペアリングも外してるし、彼女の文句もめっちゃ言うしね!」



「そっか……。じゃあもう別れるかもね」



私は笑って答えたけど、心は押し潰されそうだった。



どうしてそんなに嬉しそうに話せるの?

どうして私の前でそんな言葉が出てくるの?



かなこがいなくなった後、私は部屋の隅でひとり悔し涙を流した。




信じたのは私だった。

信じたかっただけだった。


そんな時



まるで私の心を見透かしたかのように

じゅんから一通のメッセージが届いた。



「最近元気ないよね。なんかあった?

もし嫌じゃなければいつでも相談して!

俺は味方だから!!」



その一言で、ずっと抑えていたものが崩れ落ちた。



気づけば私はじゅんに電話をかけていた。



そしてかなこと翔のこと、それを全部話した。



電話の向こうでじゅんは静かに、けれど力強く言った。


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