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オカルト系ネットメディア「アーカム」に掲載されていたが

「筆者の急逝に伴い、当該記事の公開は取り下げさせていただきます」

と一文を残して削除された記事を復元したもの。

【特集】K市M町──「クニサキ」の声を聞いた者は、帰らない

かつて、ある精神科医が語ったことがある。「地域の闇は、決して地図には載らない」と。

K市の片隅に存在するM町。その中でも、地元の人間すら「近づくな」と口を濁す“ある地区”がある。その異様さは、一歩足を踏み入れた瞬間に肌で感じ取れる。

この地区を俯瞰すると、家々がまるで壁のように住宅街を取り囲み街路は他の町並みから断ち切られたように閉ざされている。入り口は一本の道のみ。側道も抜け道もなく、意図的に“囲まれた何か”を守るような形状になっている。

掲示板や電柱には、異様な張り紙が点在しているのも特徴的だ。そこには、大文字で、次の警告が記されていた。

『國岬（クニサキ）の言葉を信じるな』

その上には意味ありげな女性の写真が貼り付けられている。

（プライバシー保護のため、写真はぼかし加工をしている）

この「國岬（クニサキ）」という名については、この地区の住人の表札を見ても名字の確認は出来なかった。地元の方々はこう噂する。

「“クニサキ”に話しかけられると、おかしくなる。

　声をかけられた子が、失踪したなんていう話もある」

他の地元の人に伺ったところ、どうも元々はクニサキではなく、「クチサキ」と呼ばれていたものが、次第に「クニサキ」となったとの証言も得た。

クニサキいや、クチサキとはなんなのか。そして、なぜ「信じるな」と警告されているのか。この区域に伝わる怪異は、かつて全国に伝播したある“都市伝説”と

関係があるのではと筆者は睨んでいる。

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