4歳児が贈った、不器用な金メダル
- ★★★ Excellent!!!
幼稚園でメダルの折り方を習った4歳の私。いつも頑張っているおかあさんのために、一番キラキラした金色の折り紙で「金メダル」を作ってあげたかった。
でも、金色の折り紙はしわくちゃになりやすくて、完成したのは紙くずみたいな歪んだメダル。それでも必死に母に差し出したのに、期待したオリンピック選手のような大喜びはなくて
——4歳児の私は泣きじゃくった。
大人になって振り返ると、母はあの時、確かに喜んでくれていた。ただ、静かに、じんわりと、その想いを受け止めてくれていたのだと気づく。
うまく言葉にできなかった「おかあさんを表彰したい」という純粋な想い。不器用な愛情表現の記憶が、優しく心に沁みる短編です。