巷に流布する〝富豪村〟の噂。
その真相を確かめるために、該当する村へ潜入する記者二人の体験。
それが本作です。
読む者は、まるで潜入した者たちに同行したかのように奇異な村の様子を見聞することになりす。
そして、見聞きするうちに気がつきます。
ふだん考えることもなく信じている諸々の事が揺らいでいることに。
曰く──────
日本は法治国家である。
何十年と犯行が重ねられる犯罪はない。
日本に自治体ぐるみの犯罪はない。
物語を読み進めるうちに、日常という薄皮は少しづつ剥がされてゆくのです。
そして後からは、真実が。異形の真実が現れるのです。
物事のなかには、知った後に世間の見え方が変わる事柄があります。
ありもしない疑念を呼ぶものがあります。
〝もしかして、そうなのかもしれない〟
ずっと考えてしまうような事柄があります。
この物語が、あなたにとってそうでなければ良いのですが…………