第39話 私の正しい選択
「マーガレット…っ…」
「私に、愛する人が目の前で死ぬかもしれないのを黙って何もせず見ていろというのですか?そんなの許しません。だから私は、一緒に戦うことを選んだんです。これからも同じ状況になったとき、私は今日と同じ選択をします。たとえあなたに嫌われようとも、私は、ユーリス様と共に戦います。愛する人を死なせたくはありませんから。」
誰だってそう。
愛する人が目の前で死ぬかもしれない状況で何もしない人なんていないだろう。もしいるとすればそれは、それほどの愛だということだと私は思う。
するとユーリス様の手が私の顔に触れ、指が目元に来る。
「マーガレット…泣いてるよ…」
「え…」
体を起こし、顔に触れれば涙で濡れていた。
「マーガレット、ごめんね。」
そう言って私を抱きしめるユーリス様。
「ユーリス様…」
私を強く抱きしめたユーリス様は優しい声で話し始める。
「マーガレット…ごめんね。俺はただ、君に傷をつけたくなくて、君を守りたくて言ったんだ…でも、それは俺だけの話。マーガレットがちゃんと考えての行動だとは思っていなかった。」
ユーリス様……
「マーガレット…もう泣かないでくれ…君の気持ちは分かったから…ね?」
「止めようと思っていても、なぜか止まらないんです!」
どうして…どうして止まらないの…?
──チュ
「…っ!」
「マーガレット。俺を愛する人だと言ってくれてありがとう…俺も君を愛してる…決して一人にはしないから、安心して…」
…ああ…私は一人になるのが怖いんだ…
信用した人が身近から消えてしまうこと、愛する人が離れていってしまうことが…
「ユーリス様…!」
私もユーリス様を強く抱きしめる。
「マーガレット、調査を始めれば会える時間は少なくなるだろう…だけど、会いたいときはいつでもトルーレン家に来るといい。」
「…ありがとうございます…」
この温もり…これから先もずっと覚えているだろう…
そしてこの先、どんな真実が明らかになるか分からない。どんな真相であれ、目を逸らさず、必ず明らかにしなければならない。
だから、少しの間、ユーリス様と会えなくても我慢はしないとね…もちろん、会いたくなれば会いに行くけど…
「マーガレット、愛しているよ。」
「…ユーリス様…私も愛しています。」
唇が何度重なっても止まることのないこの想い。
あなたを愛している。
誰よりもずっと。
私には、あなた以上に愛せる人などいないと思う。
あなたが私に教えて。
甘えることも、それ以外のこともすべて。
あなたの存在が私を変えてくれるのだから…
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